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Jトラスト Research Memo(1):想定される全リスクに手当てし、2020年12月期からの業績回復を目指す

発行済 2019-06-06 15:21
更新済 2019-06-06 15:41
© Reuters.  Jトラスト Research Memo(1):想定される全リスクに手当てし、2020年12月期からの業績回復を目指す
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■要約1. アジアを中心に発展を目指す金融グループJトラスト (T:8508)は、東証2部に上場しており、傘下に国内外の金融事業、非金融事業などを有するホールディングカンパニーである。

国内外で数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を中心に2019年3月末の総資産は670,000百万円弱の規模に拡大している。

東南アジア金融事業及び投資事業の業績悪化に苦しむが、2019年3月期には不良債権の抜本的処理を断行し、2020年12月期からの業績回復への道筋をつけた。

今後も、アジアでの金融事業を中心にグループの成長を図るとの収益モデルに変更はない。

2. 2019年3月期は、考え得る限りのリスク手当てを実施2019年3月期の営業収益は74,900百万円(前期比0.8%増)、営業損失は32,600百万円(前期は4,700百万円の利益)であった。

日本金融事業では、保証料収入の増加などから、安定した利益を計上した。

また、サービサー事業では不良債権買取は引き続き好調である。

韓国及びモンゴル金融事業では、貯蓄銀行業を始めとした利息収入が順調に増加した。

戦略的なポートフォリオの入れ替えを実施し、債権の「質」を重視しつつ、安定した貸出を指向している。

また、サービサーにおける不良債権買取も順調である。

他方、東南アジア金融事業では不良債権処理により貸倒引当金13,000百万円を計上し、貸出残高は減少した。

加えて、投資事業でもGroup Lease PCL(以下、GL)に対する金銭債権の全額に対して貸倒引当金20,100百万円を計上した。

このように、リスクに対して前倒しで保守的に手当てしたことが大幅損失計上の原因であった。

日本企業による海外事業戦略の難しさを示す結果になったが、リスクを将来に引きずらないための英断と評価できる。

2019年2月には業績の下方修正に伴い、年間配当金を12円から7円に引き下げ、経営責任を明らかにするために役員報酬支給の取り止め・減額を発表した。

3. 2019年12月期は、2020年12月期からの業績本格回復に備える同社では、海外子会社の増加に伴い、決算期を3月から12月に変更する。

それに伴い、2019年12月期は9ヶ月決算となり、営業収益は64,300百万円、営業利益は61百万円を予想する。

日本金融事業では、新たな保証商品の開発やサービサー事業の安定成長などにより、安定した利益を計上する。

韓国及びモンゴル金融事業では、金融規制の変更にも柔軟に対応して、利益確保につなげる。

一方、東南アジア金融事業では小幅損失を見込むが、グループの精鋭メンバーを中心に銀行の再建に取り組むとともに、マルチファイナンス会社のPT JTRUST OLYMPINDO MULTI FINANCE(以下、JTO)を主軸に良質な債権を積み上げる。

さらに、2019年12月期中にはカンボジアの優良銀行であるANZ Royal Bank(Cambodia)(以下、ANZR)が傘下に加わる予定だ。

前期決算で、現状想定できる限りのリスクに対して手当てを行ったことで、2020年12月期からの本格的な業績回復を目指すための準備が整ったと言えるだろう。

なお、配当については早期の業績回復を優先するために年間1円への減配を予定する。

4. 2020年12月期以降は、東南アジア金融事業を中心に業績は回復基調に中期的には成長可能性が大きい東南アジア金融事業を原動力として、同社グループは持続的な成長を目指している。

日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業では安定的な利益を稼ぐ。

一方、東南アジア金融事業では、引き続き銀行の経営再建を進めるとともに、JTOを中心に貸付金額の増加を図る計画だ。

また、ANZRは安定した利益貢献を続けると見込まれる。

さらに、投資事業では、貸倒引当金の戻入れによる利益計上が期待される。

2020年12月期以降は、東南アジア金融事業の改善を中心に、本格的な業績回復基調に入ると見られる。

■Key Points・日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業など、アジアを中心に発展を目指す金融グループ・2019年3月期は32,600百万円の営業損失であった。

東南アジア金融事業と投資事業での損失が響いたが、現時点で想定できるリスクをすべて織り込むための決断であった・2019年12月期は、営業利益61百万円にとどまる予想。

2020年12月期からの本格的な業績回復に向けて、東南アジア金融事業の再建に注力する・同社グループの収益モデルに変更はなく、今後は潜在成長性が大きい東南アジア金融事業が原動力となり、持続的な成長を目指す計画である(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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