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イグニス Research Memo(3):VRやAI、IoTに着目した新規事業にも挑戦(2)

発行済 2019-06-27 15:53
更新済 2019-06-27 16:01
© Reuters.  イグニス Research Memo(3):VRやAI、IoTに着目した新規事業にも挑戦(2)
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■イグニス (T:3689)の事業概要2. 新規事業の概要(1) VR(エンターテインメント)2016 年11 月にVR領域への進出を目的とした子会社パルス(株) を設立すると、秋元康(あきもとやすし)氏※1、松尾豊(まつおゆたか)氏※2、DaiGo 氏などが資本参加し、各分野における第一人者との協業により革新的な価値創造を目指している。

※1 作詞家、放送作家、映画監督、漫画原作者。

AKB48 グループ、乃木坂46、欅坂46 などのプロデューサーとして、ほぼすべての楽曲の作詞を行っており、番組の企画構成やドラマの脚本なども手掛ける。

※2 東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻の特任准教授。

専門分野は、人工知能、Web 工学、ディープラーニング。

具体的には、大きく分けてエンターテインメント分野と医療分野にかかる研究開発及び事業化を推進している。

エンターテインメント分野では、これまでにないエンターテインメントを実現すべく「INSPIX」※1の開発と、そのプラットフォーム上でパフォーマンスを展開するバーチャルタレント等のIP創出を進めており、システムとコンテンツ双方を保有する垂直統合型の運営を目指している。

特に、IP創出については、第1 弾としてVRアイドルユニット「えのぐ」のプロジェクト※2を立ち上げると、現時点で第4・5弾までの活動を開始している。

また、2019年5月には芸能プロダクションを設立※3し、タレントの発掘・育成・プロデュースに向けて本格的な体制を整えた。

まだ収益化の段階にはないが、Virtual Live Platform としてのフェーズをさらに進化させるとともに、IP による多様なマネタイズ(チケット、グッズ、ファンクラブ、音楽、ゲームなど)の実現を目指しており、2020年9月期より本格的な収益貢献を見込んでいる模様。

※1 高価なVR-HMDに依存せず、様々なデバイスに対応し、参加者が自宅からでもバーチャルライブに参加できる次世代音楽ライブ体験スマホアプリである。

現在は、フェーズ1(既存動画配信サイトへのライブ生配信)とフェーズ2(特定の場所に集まって体験するバーチャルライブ)の段階まで進んでいるが、2019年中には最終形となるフェーズ3(参加者がどこにいてもバーチャルライブに参加)へと進化させていく方向性である。

2019年4月にはこのフェーズ3となる「スマートフォン版INSPIX α版」のテスト配信を実施し、開発は最終段階を迎えている。

※2 「INSPIX」の活用により、業務提携先である (株) 岩本町芸能社(VRタレントのマネジメントを専門とする世界初の芸能事務所)に所属するVRアイドルグループ「えのぐ」の初オリジナル曲をYouTube にてライブ配信すると、2018 年8 月10 日には初の本格ライブにも成功。

2018 年11 月28 日にはユニバーサルミュージック(同) よりメジャーデビューを果たしている。

※3 連結子会社パルスの子会社として(株)VOYZ ENTERTAINMENTを設立(同社にとっては孫会社)、VRでの活動のみならず、その他オンライン・オフラインでの活動も視野に入れた二次元と三次元のタレントをマネジメントする芸能事務所で、既に80名(研修生含む)の男性タレントが所属している。

(2)VR(医療)医療分野については、2016 年12 月より順天堂大学教授とのVR技術応用(主に痛み緩和効果への応用など)に関する共同研究を進めている。

2019年6月11日に本プロジェクトに関するプレスリリースが発表され、それによると、順天堂大学との共同研究に関する特許出願と『VRを用いた慢性疼痛の穏和』システムのパイロット提供を開始している。

(3) IoT2015 年11 月に持分法適用関係会社としたIoT ベンチャー(株) ロビットとの連携を軸として、スマートフォンアプリを通じて培ってきた体験設計のノウハウとIoT 関連テクノロジーを活用した新たな製品及びサービスを展開している。

足元では2016 年7 月にロビットのブランドで販売を開始したスマートフォン連動型カーテン自動開閉機「めざましカーテンmornin’ plus」※1が好調に推移している。

本件による収益モデルは、ロビットに計上されるデバイス売上高のみであり、同社にはその利益の持分割合(営業外損益)が反映されることになる。

また、2016 年2 月に設立した(株)Mellow ※2により「TLUNCH」(モビリティビジネス・プラットフォーム) も展開している。

本件は、『場所おこし~なんでもない場所を、おいしい場所に~』というコンセプトのもと、「活用されていない空地」と「フードトラック事業者」※3をマッチングさせ、シェフのこだわりの料理を提供するものである。

首都圏を中心に運営スペース数と提携事業者数を拡大させ、現在では日本最大級のモビリティビジネス・プラットフォームに成長してきた。

本件による収益モデルは、流通総額に一定の料率を掛けた手数料をスペース提供者(ビル・オーナーやイベント運営者など)とシェアするものであるが、同社にはその利益の持分割合(営業外損益)が反映されることになる。

まだ業績寄与は大きくないが、早期に提携事業者及びスペース提供者の双方を囲い込む先行者利益(ネットワーク効果)の実現により、ストック型事業としてのポテンシャルは高い。

※1 「めざましカーテン mornin’ plus」は、取り付けが簡単なうえ、スマートフォンと連動させてタイマーを設定するだけで設定した時刻にカーテンが開閉するアイデアIoT 家電(目覚まし装置)。

※2 成長に向けた資本政策上の理由により、2018 年9 月期第4 四半期より連結子会社から持分法適用関連会社へと移行した。

ただ、同社グループにおける事業としての位置付けに変化はない。

※3 専門店のシェフが移動販売車で出来立ての料理を提供する新しい飲食業態。

(4) その他AI 及びIoT を活用した新規分野として、「mornin’ plus」を手がけるロビットがAI 技術を活用した自動外観検査ロボット「TESRAY」による検査工程の自動化にも取り組んでいる。

これは、工場で長く抱えていた課題として、従業員が目視による不良品検知作業を行っており時間がかかるという点を、AI 技術を用いて効率化するというもの。

作業の効率化による人手不足の解消のほか、品質・生産性・競争力の向上などといった効果が期待できる。

ロビットが愛知県豊田市内の自動車部品メーカー2 社との業務提携により推進している。

一般消費者にはあまりに馴染みのないBtoB のモデルになるが、既に多数の製造業者からの引き合いは強いようだ。

収益事業化までには長期目線が必要であるが、こちらも産業規模から考えるとポテンシャルの高さには期待が持てる。

また、これに並行して同社ではAI技術を活用した新方式のピッキングソリューションを開発した。

ピッキングロボットの物をつかむ精度を最大100倍に向上できるソリューションで、ピッキング作業における生産性向上が図れるものとしている。

既存のピッキングロボットにも導入できることから、新規需要の開拓を目指している。

また、オンライン診療対応の医療機関向けSaaS「FOREST」※の開発・提供にも注力している。

医療機関との連携により開始し、オンライン診療による来院数は順調に伸びてきた。

2020 年9 月期での収益貢献を目指している。

※規制緩和が進められている領域であり、オンライン診療により病院に行かなくても診察を受けたり、処方された薬を自宅で受け取ったりできるなど、将来を見据えた事業として開発を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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