[東京 15日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反落した。前日の米国株式市場で主要3指数が大幅安となったことを受けて、先物主導で幅広く売られて始まったものの、ドル/円相場が落ち着いて推移したことなどを背景に戻り歩調となった。後半は模様眺めとなる中、マイナス圏で小動きに終始した。
景気後退(リセッション)入りの兆候とされる長短金利の逆転に加え、ドイツと中国の経済指標が軟調となったことを嫌気して米国株が大幅安となり、市場では「マーケットは不意を突かれた格好となり、薄商いの中で全般的に崩れそうだ」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)と懸念するムードが強まった。
寄り付きはシカゴ日経平均先物9月限の終値(円建て)2万0120円にサヤ寄せする形で先物が急反落してスタート。つれて現物も崩れたが、外為市場で円高が進まなかったことで安心感が生じ、売り一巡後は前引けにかけて戻り歩調となった。しかし、後場に入ると、見送りムードが広がり、米株先物も上げ幅を縮小させたことを受け日本株のリバウンド力も低下し、東証1部売買代金が連日の2兆円割れとなるなど、商いが低調なままこの日の取引を終えた。
ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏は、米国株の動きについて「逆イールドというわかりやすい現象をもとに、アルゴリズムやHFT(高頻度取引)といった機械取引が振幅を大きくしているのが実状」と指摘。そのうえで、日本株に関して「PBR(株価純資産倍率)1倍の水準となる2万円にいったん近づいたら、押し目買いが入っている。為替もそれほど円高で推移していない。急激な世界情勢の悪化や円高が起きない限り、日経平均の下げは限定的と考えられる」とコメントしていた。
TOPIXは前日比1.04%の下落で終了。東証1部の売買代金は1兆9862億2300万円で、2日連続の2兆円割れとなった。
個別では、トヨタ自動車 (T:7203)、ソニー (T:6758)、キヤノン (T:7751)など主力輸出関連銘柄が総じて軟調となったほか、指数寄与度の大きいファーストリテイリング (T:9983)などの下げも目立つ。半面、前日買われたオークマ (T:6103)が続伸した。
東証1部の騰落数は、値上がり272銘柄に対し、値下がりが1812銘柄、変わらずが65銘柄だった。
日経平均 (N225)
終値 20405.65 -249.48
寄り付き 20324.25
安値/高値 20184.85─20419.88
TOPIX (TOPX)
終値 1483.85 -15.65
寄り付き 1473.87
安値/高値 1465.91─1483.65
東証出来高(万株) 113868
東証売買代金(億円) 19862.23