[12日 ロイター] - 米半導体大手ブロードコム (O:AVGO)が12日に発表した第3・四半期決算(8月4日終了)は、米中貿易摩擦の影響で半導体需要が鈍化し、売上高が市場予想を小幅に下回った。一方、通年の業績見通しは維持した。 時間外取引で株価は、1.5%下落した。
同社は半導体需要は底入れしたとみられるが、現在の水準が続くとの見通しを示し、同業界の低迷が長引く可能性を示唆した。
ホック・タン最高経営責任者(CEO)は会見で「先行きはまだ、ほとんど見通せない状況で、本格的な回復が近いという確信もない」と指摘。同社の半導体事業については当面、「低成長で不確実なマクロ環境」下での運営が続くと想定していると述べた。
第3・四半期の純売上高は、前年同期の50億6000万ドルから55億2000万ドルに増加した。ただ、リフィニティブがまとめたアナリスト予想平均の55億4000万ドルは小幅に下回った。
半導体ソリューション部門の売上高は前年比約5%減の43億5000万ドルだった。
普通株に帰属する純利益は前年同期の12億ドル(1株当たり2.71ドル)から7億1500万ドル(同1.71ドル)に減少した。
一時項目を除いた1株当たり利益は5.16ドルで、予想の5.13ドルを上回った。
2019年通年の売上高予想は225億ドルに据え置いた。米中貿易摩擦は続いているが、中国やその他の海外事業は一段と悪化してはいないと説明した。
半導体業界は減速傾向にあり、調査会社の米ガートナーによると、2019年の世界の半導体売上は前年比9.6%減の4290億ドルになる見通し。
サミット・インサイツ・グループのアナリスト、キンガイ・チャン氏は「われわれの業界調査では2019年下半期に需要が緩やかに回復するとの見通しが示された。ただ、貿易摩擦による不透明感を踏まえると、ブロードコムが現時点で慎重な見通しを示すのは適切だ」と述べた。