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イグニス Research Memo(2):次世代の音楽ライブを実現するVR事業も本格始動

発行済 2019-10-09 15:12
更新済 2019-10-09 15:21
© Reuters.  イグニス Research Memo(2):次世代の音楽ライブを実現するVR事業も本格始動

■事業概要イグニス (T:3689)は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・運営・販売等を主力としている。

「コミュニティ」「ゲーム」「その他(新規事業等)」の3つのジャンルを事業の柱とし、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジショニングを確立してきた。

また、VRやAI、IoT技術に着目した新規事業にも取り組んでいる。

事業セグメントは、主にスマートフォンアプリ事業となっている。

1. 既存事業の概要(1) コミュニティオンライン恋愛・婚活サービス「with」(基本、男性のみ月額課金収入モデル)を中心に展開している。

「with」は2016年3月にWeb版、iOS版をリリース※1して以来、類似サービスの中では後発参入であるものの、2019年6月末時点で登録会員数は200万人を突破し、業界3番手グループ※2の地位を確保。

国内iOSのSNSの売上ランキングでも上位に位置している。

メンタリストDaiGo(ダイゴ)氏※3監修のもと、最適なマッチングを実現する独自の心理学及び統計学的アプローチが差別化要因となっていることに加えて、積極的な広告宣伝によるユーザー獲得が奏功している。

※1 Android版は2016年5月にリリース。

※2 Facebook認証型のオンライン恋愛・婚活サービス上位には、「Pairs」「Omiai」「ゼクシィ恋結び」などが存在する。

※3 メンタリスト、作家、新潟リハビリテーション大学特任教授。

著書は累計150万部突破、企業の顧問や経営戦略パートナー、講演など、様々な分野で活動。

(2) ゲーム2015年2月にリリースした「ぼくとドラゴン」(アイテム課金収入モデル)を中心に展開している。

リリースから5年目に突入し、売上高は逓減傾向にあるものの、多彩なイベントや人気コンテンツとのコラボ、機能追加など、安定運営の継続により同社の業績を支えてきた。

足元でも累計380DL(2019年6月末時点)を突破するとともに、国内アプリストア売上ランキングでも一定水準を維持しており、ロングセラーゲームとして息の長い収益貢献を続けている。

一方、2018年12月に「でみめん」※1、2019年4月には同社初のブラウザゲームとなる「猫とドラゴン」※2の配信を開始しているが、競争激化などを背景として低調に推移している。

※1 女性向けの新感覚スマートフォンRPG。

子会社(株)ラップランドより提供。

※2 スマートフォン向けゲームタイトル初の最新のコミュニケーション機能に特徴がある。

すなわち、音声入力による手放しトークや、AIと専任スタッフによるギルド運営のアシスタントを搭載し、面倒くさいのは嫌だが、友達とゲームを楽しみたいという大人のニーズに応えている(メインコンテンツは、簡単手軽な協力バトル)。

「ぼくとドラゴン」を手掛ける子会社(株)スタジオキングより提供。

(3) その他過去における小規模アプリに加えて、2015年10月に買収した(株)U-NOTE※が運営する性格傾向データによる求人マッチングサービスに加えて、VR事業(エンターテインメント分野と医療分野)やAI関連・検査工程自動化、オンライン診療対応の医療機関向けSaaS等の新規事業についても、現時点では「その他」に含まれている。

※U-NOTEは2018年9月30日付でメディアサービスの一部「U-NOTE」を(株)PR TIMESへ事業譲渡。

また、2018年10月1日付でU-NOTEからグラム(株)に社名変更。

2. 新規事業の概要(1) VR(エンターテインメント)2016年11月にVR領域への進出を目的とした子会社パルス(株)を設立すると、秋元康(あきもとやすし)氏※1、松尾豊(まつおゆたか)氏※2、DaiGo氏などが資本参加し、各分野における第一人者との協業により革新的な価値創造を目指している。

※1 作詞家、放送作家、映画監督、漫画原作者。

AKB48グループ、乃木坂46、欅坂46などのプロデューサーとして、ほぼすべての楽曲の作詞を行っており、番組の企画構成やドラマの脚本なども手掛ける。

※2 東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻の特任准教授。

専門分野は、人工知能、Web工学、ディープラーニング。

具体的には、エンターテインメント分野と医療分野にかかる研究開発及び事業化を推進。

エンターテインメント分野では、これまでにない次世代の音楽ライブの体験を実現すべくバーチャルライブプラットフォーム「INSPIX」※1の開発と、そのVRプラットフォーム上でパフォーマンスを展開するバーチャルタレント等のIP創出を進めており、システムとコンテンツ双方を保有する垂直統合型の運営を目指している。

IP創出については、第1弾としてVRアイドル「えのぐ」のプロジェクト※2を立ち上げると、2019年5月には芸能プロダクションを設立※3し、タレントの発掘・育成・プロデュースに向けて本格的な体制を構築した。

VRアイドルに限らない複数のプロジェクトが進行中であり、SNS等の累計フォロワー数(ファン数)も40万人に急拡大している。

一方、VRプラットフォームについても、いよいよフェーズ3(最終形)となるバーチャルライブアプリ「NSPIX LIVE」を2019年8月13日にリリースすると、同年8月23日にはVRアイドル「えのぐ」のバーチャルライブを開催。

今後も他社IPを含むバーチャルライブを順次公開予定(中国や北米など海外展開も視野)であり、来期以降の本格的な収益貢献を見込んでいる。

※1 高価なVR-HMDに依存せず、様々なデバイスに対応し、参加者が自宅からでもバーチャルライブに参加できる次世代音楽ライブ体験スマホアプリである。

※2 「INSPIX」の活用により、業務提携先である(株)岩本町芸能社(VRタレントのマネジメントを専門とする世界初の芸能事務所)に所属するVRアイドルグループ「えのぐ」の初オリジナル曲をYouTubeにてライブ配信すると、2018年8月10日には初の本格ライブにも成功。

2018年11月28日にはユニバーサルミュージック(同)からのメジャーデビューを実現した。

※3 連結子会社パルスの子会社として(株)VOYZ ENTERTAINMENTを設立(同社にとっては孫会社)、VRでの活動のみならず、その他オンライン・オフラインでの活動も視野に入れた二次元と三次元のタレントをマネジメントする芸能事務所で、既に80名(研修生含む)の男性タレントが所属している。

(2) VR(医療)医療分野については、2016年12月より順天堂大学教授とのVR技術応用(主に痛み緩和効果への応用など)に関する共同研究を進めている。

2019年6月11日に本プロジェクトに関するプレスリリースが発表され、それによると、順天堂大学との共同研究に関する特許出願と『VRを用いた慢性疼痛の緩和』システムのパイロット提供を開始している。

(3) IoT2015年11月に持分法適用関係会社としたIoTベンチャー(株)ロビットとの連携を軸として、スマートフォンアプリを通じて培ってきた体験設計のノウハウとIoT関連テクノロジーを活用した新たな製品及びサービスを展開。

2016年7月にロビットのブランドで販売を開始したスマートフォン連動型カーテン自動開閉機「めざましカーテンmornin’ plus」※が好調に推移している。

本件による収益モデルは、ロビットに計上されるデバイス売上高のみであり、同社にはその利益の持分割合(営業外損益)が反映されることになる。

※「めざましカーテンmornin’ plus」は、取り付けが簡単な上、スマートフォンと連動させてタイマーを設定するだけで設定した時刻にカーテンが開閉するアイデアIoT家電(目覚まし装置)。

また、2016年2月に設立した(株)Mellow※1により「TLUNCH」(モビリティビジネス・プラットフォーム) も展開。

本件は、『場所おこし~なんでもない場所を、おいしい場所に~』というコンセプトのもと、「活用されていない空地」と「フードトラック事業者」※2をマッチングさせ、シェフのこだわりの料理を提供するものである。

本件による収益モデルは、流通総額に一定の料率を掛けた手数料をスペース提供者(ビル・オーナーやイベント運営者など)とシェアするものであるが、同社にはその利益の持分割合(営業外損益)が反映されることになる。

※1 成長に向けた資本政策上の理由により、2018年9月期第4四半期より連結子会社から持分法適用関連会社へと移行した。

ただ、同社グループにおける事業としての位置付けに変化はない。

※2 専門店のシェフが移動販売車で出来立ての料理を提供する新しい飲食業態。

(4) その他新規分野として、「mornin’ plus」を手がけるロビットがAI技術を活用した自動外観検査ロボット「TESRAY」による検査工程の自動化にも取り組んでいる。

これは、工場で長く抱えていた課題として、従業員の目視による不良品検知作業には時間がかかるという問題を、AI技術を用いて効率化するというもの。

作業の効率化による人手不足の解消のほか、品質・生産性・競争力の向上などといった効果が期待できる。

ロビットが愛知県豊田市内の自動車部品メーカー2社との業務提携により推進している。

収益事業化までには長期目線が必要であるが、こちらも産業規模から考えるとポテンシャルの高さには期待が持てる。

また、これに並行して同社ではAI技術を活用した新方式のピッキングソリューションを開発した。

ピッキングロボットの物をつかむ精度を最大100倍まで向上させることができるソリューションで、ピッキング作業における生産性向上が図れるものとしている。

これは既存のピッキングロボットにも導入できることから、新規需要の開拓を目指している。

また、オンライン診療対応の医療機関向けSaaS「FOREST」※の開発・提供にも注力している。

医療機関との連携により開始し、オンライン診療による来院数は順調に伸びてきた。

2020年9月期での収益貢献を目指している。

※規制緩和が進められている領域であり、オンライン診療により、病院に行かなくても診察を受けたり、処方された薬を自宅で受け取ったりできるなど、将来を見据えた事業として開発を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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