[東京 15日 ロイター] - 米投資ファンドのブラックストーンは15日、ユニゾホールディングス (T:3258)に対して株式公開買い付け(TOB)を検討していると発表した。ユニゾが23日までに同意することを条件に1株5000円でTOBを開始する。一方、ユニゾの同意が得られない場合、TOB実施の可否を含めたあらゆる選択肢を検討するとしている。
1株5000円のTOB価格は、現在、投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが17日までの買い付け期間で行っているTOB価格1株4000円を25%上回っている。エイチ・アイ・エス (T:9603)がTOBを公表した前の日の終値1株1990円に対しては2.5倍。ユニゾの15日の終値は4700円。
また、ユニゾ側が求めていた従業員の保護については「従業員とパートナーシップを構築することを目指すことや、従業員の労働条件を維持ないし改善することを約束する」とした。
ブラックストーンは、9月17日・9月25日に1株当たり5000円の法的拘束力のある提案書をユニゾに提出。両社で協議をしてきたが合意に至らなかった。9月27日には、ユニゾが従業員の保護などで問題があるとしブラックストーンによる提案に応諾しないことを公表した。
こうした経緯を踏まえ、ブラックストーンは、従業員の処遇について明確にした修正提案を行ったが、従業員の雇用を確保する「仕組み」がないとして、ユニゾは10日、応諾しないことを決めたと発表している。
ユニゾが求める「仕組み」とは、合意書を従業員持株管理会社を加えた3者で結ぶこと、買収した側が投資資金を回収するエグジットをする際、その時期や方法を選択する権利を、従業員持株管理会社に対して付与することなど。これに対し、ブラックストーンは「ユニゾの従業員に対してブラックストーンのエグジットを支配する権利を付与するという、異例の要請を受け入れる必要があるとは考えていない」とした上で、エグジットが成功した際には、ブラックストーンとともに利益の一部を享受できるようにすることを確約するとしている。
(清水律子 編集:田中志保)