[ブリュッセル 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)はフェイスブック (O:FB)やグーグル (O:GOOGL)、アマゾン (O:AMZN)などデータ市場を支配する米巨大情報・技術(IT)企業に対抗するため、データの単一市場を創出する意向だ。ロイターが閲覧した欧州委員会の提案書で明らかになった。
提案には大規模なオンラインプラットフォームを制限する措置が盛り込まれ、2月19日に予定されている説明会の前に修正される可能性がある。米巨大IT企業がデータ市場を牛耳る構図を打ち破るとともに、中国勢との競争への対応を強化するEUの方針が浮き彫りになった。
提案は「現時点では少数の大手IT企業が世界のデータ市場の大部分を握っている。これは欧州などでデータ主導型の事業が台頭、成長、発展する上で大きな問題となっているが、この先には大きな機会が待ち構えている」と説明した。
また「中国や米国などの競争相手は既に技術革新を速いペースで進めており、データへのアクセスや世界的なデータの利用に関する構想を打ち出している」と指摘し、EUとして早急に作業を進める必要があると訴えた。
こうした目標を達成するための具体策として、国境をまたがるデータに関する新たな規則に加え、製造業や気候変動、自動車業界、ヘルスケア、金融サービス、農業、エネルギーの各分野でデータを相互に運営可能にする方法や基準の策定を盛り込んだ。