(ブルームバーグ): 10日の東京株式相場は続落。新型肺炎の感染拡大が続き、世界経済の成長減速が懸念された。米ハイテク株安を受けて電機が下げ、非鉄金属や医薬品、商社も安い。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏ストラテジストは、中国に渡航歴がない人からの新型肺炎拡大にWHOが懸念を示したことを挙げ、「中国以外での致死率は低いものの、感染経路の特定が難しくなるなど不透明感が増した」と話した。株価上昇には「感染スピードの鈍化などで不安が取り除かれることが必要」とみる。
米国株安の流れを引き継いで下落で開始。日経平均は一時206円(0.9%)安まで売られた。午前には中国の上海総合指数が一時上昇に転じ堅調に推移したため、日本株も下げ幅を縮めた。
その中国株が再度下落して弱含んだことで、午後はじりじりと値を下げる展開。横浜港に停泊しているクルーズ船の感染者増加が伝わると下げ基調を強める場面があった。
SBI証券の鈴木英之投資調査部長は「新型肺炎の影響で中国企業の生産能力が落ちると、日本企業に影響が波及する恐れがある」とし、四半期決算の発表時に通期業績予想を上方修正しても「影響を織り込んでいない企業もあり、業績回復が遅れる可能性がある」と話した。
- 東証1部33業種では海運、ゴム製品、医薬品、非鉄金属、電機、精密機器が下落率上位
- 保険、倉庫・運輸関連は上昇
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