(ブルームバーグ):
●日本株は続落、新型ウイルスへの警戒続き業績に懸念-機械や素材安い
東京株式相場は続落。国内で新型コロナウイルスに感染した初の死者が出て、感染拡大による景気への悪影響が懸念された。鉄鋼や非鉄金属など素材関連、電機や機械が安い。業績の悪化した日産自動車など自動車関連も下落した。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「ウイルスの感染拡大は簡単に止められそうにない。さらに事態が悪化すれば経済の停滞を招く可能性がある」と話していた。
日経平均は一時前日比224円(0.9%)安まで下げ幅を広げた。今期業績予想を再度引き下げた日産自が急落した輸送用機器が安く、機械や鉄鋼など中国関連も下落。
●債券は下落、需給悪化に警戒感-景気の先行き不透明感で下値は限定的
債券相場は下落。来週実施予定の利付国債入札と日本銀行の長期国債買い入れオペを巡る需給悪化の懸念が重しとなった。一方、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への影響懸念が根強く、相場の下値は限定的となった。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト
- 新型肺炎問題で基本的にリスクオフムードだが、債券市場では来週の需給要因に目が向いている
- 日銀のオペが21日まで入らないことで、需給の緩みが嫌気されて短期的な調整圧力が掛かった
- ただ、新型肺炎の影響が中国の経済指標に出始めると、再びリスクオフが進む可能性があり、相場が押したところは買われやすい面がある
- 対象は残存期間5年超15.5年以下
- 投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.66倍と、前回の同年限入札の2.97倍から低下
- 最大利回り格差は0.005%、平均利回り格差は0.003%
- 三井住友トラストAMの押久保氏
- 入札結果は無難程度にとどまり、少なくとも需給の引き締まりを示す内容ではなかった
東京外国為替市場でドル・円相場は一進一退。米国の3連休を控える中、中国湖北省での新型コロナウイルス感染急増や経済的な影響拡大への懸念からリスク回避の円買いがやや優勢となる一方、中国株の反発などを受けてドルが上昇する場面もあった。
バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジスト
- 中国の基準改定による新型コロナウイルスの感染急増を受けたリスク回避の中でドルも円も強く、クロス・円相場は下がりやすい。ドル・円は110円台のリスクオンから戻ってきた格好
- 米国の3連休もあり、新型ウイルス関連のニュースを警戒して、ポジションをリスクオンに傾けたまま週末を迎えたくないとの調整圧力がある。株安はドル・円の下押し圧力に
- ユーロは、昨秋からの景気上振れが収まりつつあるところに新型ウイルスの感染拡大で中国との経済的な関係の深さが売り材料に。リスクオフによる全体的なドル高基調も影響している
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