[デトロイト 10日 ロイター] - 11月の米大統領選に向けて、野党民主党の候補を選ぶ予備選と党員集会が10日、6州で行われた。中道派のジョー・バイデン前副大統領が6州の中で最大の票田である中西部ミシガン州で勝利したもようで、民主党候補の指名獲得に大きく前進した。
エジソン・リサーチとテレビ局の出口調査と暫定開票結果に基づくと、バイデン氏は中西部ミズーリ州と南部ミシシッピ州も制したとみられる。
ミシガン州の勝利で形勢逆転を目指していた左派のバーニー・サンダース上院議員は、事実上、候補指名への道を閉ざされたとみられ、党内の結束を図るため、選挙戦からの撤退を求める圧力が強まるとみられる。
フィラデルフィアで演説したバイデン氏は、サンダース氏と同氏の支持者の熱意に謝意を示して党内の結束を訴え、「我々には共通の目標がある。我々はともにドナルド・トランプ氏を打ち負かす」と表明した。
サンダース氏は10日夜、地元バーモント州に戻った。声明の発表は予定していない。
ミシガン州では、83%の集計完了時点でバイデン氏の得票率が53%と、サンダース氏の38%を上回っている。
バイデン氏はミシガン州で、オバマ前政権が行った自動車産業の救済措置をアピールし、労働組合と白人労働者層の支持を集めた。
エジソン・リサーチの出口調査によると、バイデン氏は、女性やアフリカ系米国人、45歳以上の有権者などからも幅広い層から支持を獲得した。
これまで予備選や党員集会が行われた州同様、バイデン氏は黒人層からの支持が特に厚い。有権者の3分の2が黒人のミシシッピ州では、バイデン氏は黒人有権者の80%以上の票を獲得したとみられる。
新型コロナウイルスの感染が全米で拡大するなか、出口調査によるとミシガン州では、大きな危機への対応ではサンダース氏よりもバイデン氏を信頼しているとの声が有権者から聞かれた。
14州の予備選があった3日のスーパーチューズデーで首位に立ったバイデン氏は、サンダース氏を引き離し、指名候補獲得に大きく近づいた。
10日はほかに、ワシントン州、アイダホ州、ノースダコタ州でもそれぞれ、候補争いが行われた。
ワシントン州では3分の2以上の集計が完了した時点で両氏が互角となっている。
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