[北京 15日 ロイター] - 中国の複合企業、海航集団(HNAグループ)は、総額1億6300万ドル相当の社債の返済を1年間延期する案について、債権者の承認を得るための電話会議の通知が直前となったことを文書で謝罪した。
同社は約2カ月前に、資金繰りについて懸念があるとして、政府に支援を要請している。
14日に開かれた電話会議は、15日に償還期限を迎える「13HNA債」と呼ばれる社債が議案だった。現地メディアによると、債権者の多くは夜に会議が開催されることを30分前に知らされたため、不満が噴出していた。会議の結果は明らかになっていない。
同社は14日遅くに「微信(ウィーチャット)」アカウントに謝罪文を掲載し、主要な投資家と同社債の1年間の返済延期に向けて交渉していたため、採決を行うために全債権者の電話会議を開いたと説明。
「投資家の数が莫大なため、会議の通知と準備で不備があった」とし、「全投資家に対し大変申し訳なく思う」と謝罪した。
HNAは2月に、新型コロナウイルス感染拡大による事業の低迷で浮上した資金繰り悪化リスクに自力で対応するのが難しくなったとして、海南省政府に作業部会を通じて支援するよう求めた。
同社は海南航空 (SS:600221)などの現地航空会社を傘下に持つ。
上海証券取引所によると、問題となっている13HNA債を発行したのは2013年4月で、11億5000万元(1億6300万ドル)を調達していた。期間は7年。