■今後の見通し1. 2020年7月期の業績見通しアイル (T:3854)の2020年7月期の連結業績予想(2019年12月6日付で上方修正)は、売上高が前期比17.3%増の12,342百万円、営業利益が同59.7%増の1,519百万円、経常利益が同57.9%増の1,536百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同62.4%増の1,008百万円を見込んでいる。
期初計画(売上高11,530百万円、営業利益1,200百万円、経常利益1,226百万円、親会社株主に帰属する当期純利益796百万円)に対して大幅に上方修正している。
大幅増収増益予想、そして過去最高更新予想である。
売上面ではCROSS-OVERシナジー戦略が奏功し、新規受注や更新受注の獲得が順調に推移し、上期における軽減税率導入やWindows7サポート終了に伴う特需が想定以上だったことも寄与している。
利益面では、ストック型商材の拡大や生産性向上効果が寄与するとしている。
これにより、営業利益率は12%台に上昇する見込みだ。
通期予想に対する上期の進捗率は売上高56.4%、営業利益80.7%、経常利益80.2%、親会社株主に帰属する当期純利益80.4%である。
単純計算した下期予想は、売上高5,384百万円、営業利益292百万円、経常利益303百万円、親会社株主に帰属する当期純利益198百万円となり、特需の反動で上期比減収減益見込み(当初は東京オリンピック開催による活動の制約を見据え期初時点で上期偏重の計画)となっている。
また直接的な影響は小さいものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響も考慮して保守的な予想としている。
ただしこれらは一時的要因であり、トレンドとしての中期成長基調に変化はないだろう。
2. 重点施策重点戦略として、基幹業務システムとWebシステムの両面から幅広いソリューション提案を可能とするCROSS-OVERシナジー戦略、協業企業の発掘・提携によって販売チャネル拡大を図るパートナー戦略、業種に特化したシステム開発や業種ごとの導入事例を生かして各業種特有の問題解決を行う特化業種深耕戦略を推進する。
また2020年7月期から、組織変更によって営業とサポートを一体化(システム営業、システムサポート)し、連携を一段と強化する。
なお、同社は社会貢献活動の一環として、2019年12月22日に開催された「MOVE FES. 2019」に協賛している。
これは、指定難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)についての啓発活動を行う(一社)WITH ALSによるイベントである。
今後もCSR(企業の社会的責任)を積極推進する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)