[20日 ロイター] - 自動車関連の調査会社LMCオートモーティブが20日発表したデータによると、世界の今年の自動車生産は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)とそれに続く景気後退(リセッション)で、前年比20%以上減少して7100万台程度になると予想されている。
減少幅は今年初めの予想より拡大し、台数では合計約1900万台の生産減となる。主要地域の景気回復の速度によっては、予想が下振れする恐れもあるという。
北米では4月、大半の施設で生産が停止されている。電気自動車(EV)大手テスラ (O:TSLA)の「モデルY」、フォード・モーター (N:F)のマスタングのEV「マッハE」、フィアット・クライスラー・オートモービルズ (MI:FCHA)のモデルチェンジしたSUV(スポーツ用多目的車)「ジープ・グランド・チェロキー」、ゼネラル・モーターズ (N:GM)の大型SUVなどの新型車の導入や増産は、延期せざるを得ない状況に追い込まれた。
LMCは、北米と欧州の自動車販売は4月に底を打つと見込まれるものの、パンデミック後の数カ月の回復は「加速しそうにない」との見方を示した。一方、新型コロナに最初に見舞われた中国では、大半の自動車工場が操業を再開し、今年の販売台数の減少幅は12%にとどまると見込まれている。
調査会社IHSマークイットによると、新型コロナの感染が世界全体に拡大し、主要地域がリセッションに陥るのに伴い、早期の景気回復の期待は後退している。同社は、年末までに回復の兆しが見えると予想する一方、パンデミックの今後の展開によっては、現在の予想が「下方修正される可能性がある」と警告した。