[ロンドン 20日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年の年次株主総会を非公開とする方針を示した英企業に対し、株主からは「バーチャル」総会を開催するよう要請する声が上がっている。
投資家の団体「シェアアクション」はFTSE100指数採用企業の経営陣に宛てて書簡を送付し、株主が直接経営陣に質問する機会が奪われることを懸念していると指摘。「新型ウイルス危機で年金資産や保有株式の価額は急落している。経営陣は、労働者や顧客の生命を守るとともに、企業の長期的な成功を左右する重大な決断を下す局面にある」と述べた。
年次株主総会の変更を発表した22社のうち、金融大手バークレイズ (L:BARC)など15社は非公開とする方針。他の企業は、バーチャル参加の要素を加えたり、非公開の会合後にオンラインで質疑応答を受け付ける「融合型」の形式を選択している。
シェアアクションは全ての企業に対し、リアルタイムで経営陣に質問ができ、オンラインで投票できるバーチャル参加型株主総会の開催を求める方針という。
別の投資家団体「ShareSoc」の代表は「株主総会の重要性はかつてないほど高まっている。質疑応答は、物理的な会合とネット配信を融合させた形式でも可能だ」と指摘した。