[香港 20日 ロイター] - 中国のパソコン大手、レノボ・グループ(聯想集団) (HK:0992)が20日発表した第4・四半期(1─3月)決算は、純利益が新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅減となったが、市場予想は上回った。
純利益は前年同期比64%減の4300万ドル。コロナ危機による業務の混乱が響いた。ただ、リフィニティブがまとめたアナリスト7人の予想平均(749万ドル)は大幅に上回った。
売上高は9.7%減の106億ドル。
楊元慶会長はロイターに対し、同社の生産は復旧しており、永続的な在宅勤務に切り替える人が増える中、今期(4─6月)はパソコン・スマート機器部門とデータセンター部門の売上高が前年同期から増える見込みだと述べた。
レノボは、自宅で勤務する「ニューノーマル(新常態)」が、パソコンやスマート機器のほか、サポート業務を担うデータセンター、ネットワークの高速化やデジタル消費に必要なインフラの拡大につながっていると指摘した。
予想を上回る決算を受けて、株価は香港市場後場に5%高となった。
同社は新型コロナウイルス感染拡大抑制のための行動制限を受け、感染の発生源とされる中国湖北省武漢市の大型工場を含む工場の閉鎖を余儀なくされた。また、他の企業と従業員を融通し合ったり、工場の従業員が隔離状態にあった際に事務部門の社員を工場に送り込んだこともあった。
楊会長は「中国では生産を100%再開した」と強調。ただ、一部の部品は供給不足が続いているとした。
米調査会社ガートナーは4月、1─3月期の全世界のパソコン出荷台数が前年同期比12.3%減と、2013年以来の落ち込みだったと発表した。レノボのシェアは24.4%で、米HP (N:HPQ)と米デル (N:DELL)を上回った。
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