[ベルリン 9日 ロイター] - 米バイオ医薬品企業ギリアド・サイエンシズ (O:GILD)は、新型コロナウイルス感染症の治療薬として注目されている抗ウイルス薬「レムデシビル」について、秋からドイツと欧州への供給を増やす方針で、それぞれの国への供給配分は感染率を基に決定する。同社のドイツ事業責任者が9日までに現地誌に明らかにした。
ギリアドのドイツ事業のマネジングディレクター、ベッティーナ・バウアー氏は独経済誌ビルトシャフツボッヘに対し、世界生産を現在の月間19万投与サイクルから、12月には同200万投与サイクルに増やすことができると語った。
供給拡大について、独政府と協議しているとも述べた。
同社をめぐっては、今後3カ月間のレムデシビルの供給のほとんどを米国に配分したことに、批判の声が上がっている。他地域での入手可能性への懸念が生じている。
ドイツにはレムデシビルの数百回分の投与量しかなく、独政府はギリアドに増産を求めた。レムデシビルは欧州で新型コロナ感染症患者の治療への利用について、欧州連合(EU)の条件付き市販承認を得た唯一の医薬品。