[マドリード 21日 ロイター] - スペイン・サンタンデール銀行 (MC:SAN)のボティン会長は21日、ロイターとのビデオ会議システムによるインタビューに応じ、欧州連合(EU)首脳会議で新型コロナウイルス危機からの再建策が合意に至ったことについて、欧州内の国境を超えた統合・再編を促進し、欧州の「銀行同盟」構想の完成につながるとの見方を示した。同行は時価総額でユーロ圏内第2位の規模を持つ。
ボティン会長は「(再建策の)合意は、銀行同盟や国境を超えた統合の機会と可能性が大幅に高まったことを意味する」と語り、「変化が求められるが、(EUの再建策合意前の)昨日に比べ、今はこうした変化が実現する可能性が格段に高い」と強調。「銀行同盟に向けたしっかりとした足掛かりになる」とも述べた。
この発言は、欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁に同調した形。デギンドス氏は20日に銀行には数週間あるいは数カ月内に国内や国境を越えた統合・再編に向けた取り組むよう期待すると述べていた。
統合や再編は、ユーロ圏の銀行が規模拡大に向けて不可避だとみられている。ただ、評価の低さや国家間の法的枠組みの違いが障害となってきた。
ユーロ圏の銀行は収益率が低い上、域内のリセッション(景気後退)で業績見通しが一段と悪化する見込み。感染拡大の影響で積み上がっている貸倒引当金も一因だ。
ボティン会長は「時が来たと考えている。欧州の銀行は規模が必要だ」とする一方、現時点でサンタンデールは再編の動きに加わることに関心はないと指摘。「現時点ではだめだし、現行の規則でもだめだ。(ただ)規則が変われば、分からない」と話した。