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GTS Research Memo(1):歯髄幹細胞を用いた再生医療等製品の開発が本格的に始まる

発行済 2020-08-07 15:11
更新済 2020-08-07 15:21
© Reuters.  GTS Research Memo(1):歯髄幹細胞を用いた再生医療等製品の開発が本格的に始まる

■要約ジーンテクノサイエンス (T:4584)は、北海道大学発の創薬ベンチャー。

バイオ医薬に特化し、バイオ後続品(以下、バイオシミラー)ではフィルグラスチム※BSが国内バイオシミラー・ガイドラインのもとで初めて厚生労働省より製造販売承認された実績を持つ。

バイオ新薬事業、バイオシミラー事業に次ぐ第3の柱としてバイオ新薬事業(再生医療/細胞治療)の育成に注力しており、2019年4月に歯髄幹細胞を用いた再生医療等製品の開発に取り組んでいた(株)セルテクノロジー、2020年2月に心臓内幹細胞を用いた再生医療等製品の開発を進めている(株)日本再生医療を相次いで子会社化している。

※顆粒球増殖因子製剤。

がん化学療法(抗がん剤投与)を行った後の好中球減少症の治療等に利用される。

先行品は協和キリン (T:4151)のグラン。

1. 歯髄幹細胞を用いたアカデミア等との共同研究が複数スタート2020年3月期は、歯髄幹細胞を用いた再生医療等製品の開発を目指して、合わせて7つの適応疾患について、アカデミアや企業との共同研究がスタートしている。

歯髄幹細胞はその他の間葉系幹細胞と比べ、骨、軟骨及び神経細胞に分化しやすく増殖能力が極めて高いことから、主に神経系疾患に対する治療効果が期待されている。

また、臨床グレードでの使用が可能となるマスターセルバンク(MCB)※1の製造法を業務提携先の(株)ニコン・セル・イノベーションで確立したことを発表しており、2021年中にはヒトへの投与が可能な製品の提供が開始される見通し。

同製品を用いて医師主導の臨床研究を行い、良好な結果が出れば製薬企業に導出していくことになる。

2020年3月に持田製薬 (T:4534)と腸管神経節細胞僅少症等※2の消化器領域の希少疾患・難病に対する共同事業化契約を締結しており、事業化に向けた取り組みとしてはもっとも早く進展するものと予想される。

※1 すべての再生医療等製品製造用細胞の元になる種細胞を一定の培養条件下で最低限の継代数を経て増殖させ、ワーキングセルバンクとし、そこから疾患によっては加工し、得られる細胞が再生医療等製品となる。

※2 腸管の蠕動(ぜんどう)運動を司る神経細胞の不足により腸閉塞症状を示す難病で、効果的な治療法は確立されていない。

国内の患者数は約100人と少ないが、類似疾患への適応拡大を視野に入れている。

2. 主要パイプラインの進捗状況開発パイプラインの進捗について見ると、ダルベポエチンアルファ※1 BS(腎性貧血治療薬)は、共同開発先である(株)三和化学研究所が2019年9月に製造販売承認を取得し、同年11月より販売を開始している。

同社は販売に応じたロイヤリティ収入を得ることになる。

また、千寿製薬(株)と共同開発中の加齢黄斑変性症を適応症としたGBS-007(ラニビズマブ※2 BS)は、2020年2月に第3相臨床試験が完了し、現在、製造販売承認申請に向けての準備が進められているものと思われる。

当該バイオシミラーは同社の3つ目の上市品となり、2025年3月期頃の同社の黒字化に向け寄与するものと見込まれる。

そのほか、新たに子会社化した日本再生医療で進めている小児先天性心疾患※3を適応症としたJRM-001は、条件・期限付き承認制度を活用した臨床試験を進めていく予定にしている。

※1 持続型赤血球造血刺激因子製剤。

保存期慢性腎臓病から透析期までの腎性貧血患者に対して、腎性貧血の症状を改善する目的で使用されている。

先行品は協和キリンのネスプで2019年度売上高はバイオセイムも含めて476億円。

※2 血管内皮増殖因子阻害剤。

加齢黄斑変性とは、網膜の中心である黄斑部に血管新生が起こり、出血やむくみなどにより視力が低下する疾患、先行品はノバルティス・ファーマのルセンティスで2018年度国内売上高は250億円。

※3 小児先天性心疾患とは、生まれながらに心臓に何らかの異常を持つ疾患で、例として心臓において通常左右の心房・心室で形成される4つの部屋の一部が正常に機能しない症状や、弁が狭く血液の通りが悪いといった症状が挙げられる。

年間300~500症例発生している。

3. 業績動向2020年3月期の連結業績は前期の単独業績と比較して、売上高で56百万円増加の1,077百万円、営業損失で355百万円悪化の1,161百万円となった。

フィルグラスチムBSは会社計画通りに推移し、開発進捗に応じたマイルストンやロイヤリティ収入、及び新規連結した子会社の売上113百万円が増収に寄与した。

利益面では、MCB関連の受注損失引当金298百万円を計上したこと等が損失拡大要因となった。

2021年3月期は売上高で972百万円、営業損失で1,672百万円を見込む。

受注損失引当金が無くなる代わりに、JRM-001の治験費用が加わることもあって研究開発費が前期比821百万円増加する。

なお、業績の中期ロードマップとして、2025年3月期頃での黒字化を見込んでいるが、現在のパイプラインの進捗状況次第では契約一時金等の計上により、2022年3月期に黒字化する可能性がある。

■Key Points・加齢黄斑変性治療薬を対象としたラニビズマブBSが2025年3月期頃の黒字化に向け寄与の見込み・2021年3月期は日本再生医療の小児先天性心疾患を対象とした第3相臨床試験が開始される見込み・2025年3月期頃の黒字化見込みは変わらないが、2022年3月期に新規バイオ事業等でライセンス契約が決まれば黒字化する可能性も(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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