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TOKAI Research Memo(3):エネルギー事業は利益率が向上、情報通信事業は光コラボの顧客件数が増加

発行済 2020-08-24 16:03
更新済 2020-08-24 16:21
© Reuters.  TOKAI Research Memo(3):エネルギー事業は利益率が向上、情報通信事業は光コラボの顧客件数が増加
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■TOKAIホールディングス (T:3167)の業績動向2. 事業セグメント別動向(1) エネルギー事業(旧ガス及び石油事業)エネルギー事業の売上高は前年同期比5.1%減の17,634百万円、営業利益(間接費用配賦前営業利益となり、決算短信とは算出方法が異なる。

以下、同様)は同32.4%増の1,972百万円となった。

LPガス事業の顧客件数は前年同期比26千件増の657千件となり、家庭用については販売量が同7%増となった。

しかし、販売単価が同2%強下落したこと、新型コロナウイルスの影響で業務用や産業用の販売量が落ち込んだことにより、売上高は同4.2%減の14,796百万円となった。

一方、利益面では仕入コスト低下による利幅の改善や顧客獲得コストの減少等により、前年同期比で2ケタ増となった。

営業エリアの拡大施策として、2020年6月末に愛知県春日井市、三重県四日市市に新たに営業拠点を開設した。

同社は2015年以降、LPガス事業拡大のため、南東北や東海、岡山、福岡と段階的に営業拠点を開設している※。

当面は既存エリアと新規営業エリアでのシェア拡大に注力していく方針だ。

前期末比で顧客件数は5千件増加したが、このうち新規営業エリアについては、同2千件増の45千件と着実に増加している。

※2015年に仙台、いわき、豊川、2016年に西三河、岐阜、2017年に多治見、岡山、2018年に九州、2019年に津、2020年6月に春日井、四日市と合計11拠点で営業所を開設。

都市ガス事業については2020年4月から新たに事業譲受した秋田県にかほ市での営業を開始した。

これにより、顧客件数が前年同期比5千件増の61千件となった。

しかし、原料費調整制度による販売単価の下落により、売上高は同9.4%減の2,837百万円となった。

にかほ市の売上寄与分は約90百万円となり、既存エリアだけで見ると同12%減収だったことになる。

(2) 情報通信事業(旧情報及び通信サービス事業)情報通信事業の売上高は前年同期比1.1%減の12,650百万円、営業利益は同8.8%減の1,110百万円と2四半期連続の減収減益となった。

法人向け事業は増収増益が続いているものの、コンシューマー向け事業の収益減が響いた。

コンシューマー向け事業は、大手通信キャリアとの競争激化によるISP顧客件数の減少が響き、売上高で前年同期比9.7%減の6,586百万円となった。

営業利益は減収要因に加えて顧客獲得コストの増加もあって同3億円の減益となったようだ。

ISPの顧客件数は711千件となり前年同期比で25千件減少、前期末比でも2千件の減少となった。

しかし、このうち光コラボに関しては328千件と前年同期比2千件増、前期末比でも4千件増と回復に転じている。

2020年1月以降、大手家電量販店の一部地域で取り組みを開始した他商材(LIBMO等)とのセット販売について、地域を広げて拡販を進めたこと、新型コロナウイルスの影響で高まったテレワーク需要を取り込めたこと等が増加要因になったと考えられる。

また、LIBMO(格安モバイル/SIM)の顧客件数については、2020年5月に30GBの大容量格安プランを投入したことや光コラボとのセット販売が奏功し、前年同期比8千件増、前期末比で2千件増の50千件となった。

一方、法人向け事業の売上高は前年同期比10.2%増の6,063百万円と2ケタ成長が続き、営業利益も約1.6億円の増益となったようだ。

受託開発部門については、新型コロナウイルスの影響で受注ベースにおいて前年同期比1ケタ減に転じた。

しかし、クラウドサービスやテレワーク需要の取り込みなどによりストックビジネスが好調に推移した。

(3) CATV事業CATV事業の売上高は前年同期比6.3%増の8,226百万円、営業利益は同6.3%増の1,367百万円となった。

2020年3月に子会社化した仙台CATV(株)の売上高が248百万円の上乗せ要因(営業利益はのれん償却後ベースで影響無し)となった。

同要因を除けば売上高は3.1%増だった。

新型コロナウイルスの影響で営業が制限されるなか、大手携帯キャリアとの連携によるスマホセット割引等により、契約件数は前年同期比92千件増(うち、仙台CATV57千件)、前期末比で7千件増の1,161千件となった。

放送サービスの契約件数は前年同期比73千件増、前期末比2千件増の864千件、通信サービスは前年同期比19千件増、前期末比5千件増の297千件となっている。

(4) 建築設備不動産事業(旧建築及び不動産事業)建築設備不動産事業の売上高は前年同期比1.1%増の3,819百万円、営業利益は同9.4%増の233百万円となった。

2019年9月に子会社化した日産工業(株)の上乗せ分が増収増益要因となっている。

日産工業の売上高は280百万円、のれん償却後営業利益は30百万円だった。

このため、既存事業だけで見ると若干の減収減益となった。

主因として、新型コロナウイルスの影響による建築需要の冷え込みによるものと考えられる。

なお、日産工業の本社がある岐阜県下呂市では、2020年7月の集中豪雨により河川の氾濫及び国道の崩落が発生したが、復旧工事の一部を日産工業で受注している。

(5) アクア事業アクア事業の売上高は前年同期比5.4%増の1,896百万円、営業利益は同60.4%増の271百万円となった。

新型コロナウイルスの影響により、新規顧客獲得の主要販路となる大型商業施設での販売が制限されたことで、顧客件数は前年同期比2千件増、前期末比2千件減の159千件にとどまった。

しかし、巣ごもり需要により契約世帯当たりの消費量が増加したことが増収要因となった。

また、利益面では増収効果に加えて顧客獲得コストが減少したことも増益要因となった。

なお、同社は「ABCIR+S」戦略の基盤となるDMP※「D-sapiens(ディーサ)」の運用を2021年3月期第1四半期よりアクア事業で開始している。

「D-sapiens」では、顧客の行動履歴(Web履歴や取引履歴、問い合わせ等)などをAIで分析することにより、「潜在需要の発掘」「解約予兆」といった顧客行動パターンを高精度に予測し、顧客ニーズに合わせたサービスを適切なタイミング・手段により案内することで新規契約の獲得につなげていくことができる。

このほか、解約予兆のある顧客に対しては事前にアプローチすることで解約防止につなげるといった効果が期待されている。

今回、アクア事業では顧客の取引履歴等から解約予兆を早期発見し、解約防止において一定の成果が確認されている。

このため、2021年3月期第2四半期からはコンシューマー向け情報通信サービス事業においても、「D-sapiens」を活用して解約防止や他商材の販促などに取り組んでいく予定にしている。

※DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)とは、インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォーム。

(6) その他その他の売上高は前年同期比20.7%減の885百万円となった。

内訳を見ると、介護事業は前期にサービス付き高齢者住宅を運営(19室)する(株)テンダーを子会社化したことにより、同13.1%増の323百万円となった。

一方、造船事業は船舶修繕工事の減少により、同9.1%減の324百万円に、婚礼催事事業は緊急事態宣言を受けて施設を一時休館した影響等により同89.9%減の27百万円と大幅減収となった。

なお、内部調整額も含めた営業損失は1,171百万円(前年同期は1,145百万円の損失)となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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