10日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比155.39ポイント(0.64%)安の24478.69ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が44.77ポイント(0.46%)安の9683.75ポイントとそろって続落した。
売買代金は1038億7800万香港ドルに縮小している(9日は1207億6400万香港ドル)。
米中対立の激化が警戒される流れ。
米国務省は9日、大学や研究機関などから軍事関連の情報が流出する恐れがあるとして、6月以降に中国人1000人以上のビザ(査証)を取り消したと報告した。
米中両国はこのところ、制裁や規制の応酬を繰り返している。
トランプ米大統領が7日、中国とのデカップリング(経済など各種関係の分断)に改めて言及するなど、対立はエスカレートしつつある状況だ。
米ハイテク株高を好感して指数は小高くスタートしたものの、上値は重く、終盤に入りマイナスに転じている。
(亜州リサーチ編集部)ハンセン指数の構成銘柄では、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が3.4%安、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が1.9%安、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が1.7%安と下げが目立った。
セクター別では、中国の銀行が軒並み安。
中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が1.7%、中国工商銀行(1398/HK)が1.6%、中国建設銀行(939/HK)が1.5%、中国銀行(3988/HK)と招商銀行(3968/HK)がそろって1.2%ずつ下落した。
空運セクターもさえない。
中国国際航空(753/HK)が3.6%安、中国南方航空(1055/HK)が3.5%安、中国東方航空(670/HK)が2.4%安とそろって反落する。
需要の回復基調を手がかりに、それぞれ足もとで買いが続いていた。
半面、食品や小売、スポーツ用品など消費関連株は物色される。
中国雨潤食品集団(1068/HK)が6.2%、日清食品(ニッシン・フーズ:1475/HK)が3.2%、百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)が1.9%、李寧(2331/HK)が1.3%ずつ上昇した。
政策支援の動きが期待される。
一方、本土市場は続落。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.61%安の3234.82ポイントで取引を終えた。
ハイテク関連株が安い。
ゼネコンや素材などインフラ関連株、銀行株、エネルギー株、発電株、不動産株、防衛関連株なども売られた。
半面、消費関連株は高い。
自動車株、証券株、医薬品株も買われた。
亜州リサーチ(株)