[クアラルンプール 7日 ロイター] - 米資産運用大手ブラックロックは、世界最大の医療用手袋メーカーであるマレーシアのトップ・グローブ・コープの取締役会について、COVID─19(新型コロナウイルス感染症)から従業員を守ることに失敗したと指摘し、解任を呼びかけた。
トップ・グローブを巡っては昨年終盤に従業員間で新型コロナ感染が拡大。マレーシア国内最大のクラスター(集団感染)となり、5000人以上の外国人労働者が感染し、1人が死亡した。
ロイターは先月、社内の取り組みが不十分との声を上げた内部告発者をトップ・グローブが解雇したと報道した。複数の労働者はロイターに対し、過密状態の宿舎で生活していると明かしていた。
ブラックロックは6日遅くの発表で、トップ・グローブ取締役会を非難、労働・生活環境や内部告発者の解雇、クラスターに関する労働者側の説明に言及。6日の年次株主総会では取締役6人の再任に反対したことを明らかにした。
トップ・グローブからは今のところコメントを得られていない。
ブラックロック子会社のブラックロック・インスティテューショナル・トラストはトップ・グローブ株を1.07%保有し、10位の大株主となっている。ブラックロックは6人以外の取締役についても、今後の総会で再任に反対票を投じ、責任を追及するとした。
今回の株主総会で取締役は再任された。