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東北は今後も重要拠点、脱炭素へ再エネ推進を=自工会会長

発行済 2021-03-11 16:40
更新済 2021-03-11 16:45
© Reuters. 東北は今後も重要拠点、脱炭素へ再エネ推進を=自工会会長

[東京 11日 ロイター] - 日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は11日の会見で、東日本大震災からこの日で10年という節目にあたり、今後も東北地方を重要な自動車生産拠点の1つと位置付け、雇用を維持しながら復興を支える考えを示した。

ただ、カーボンニュートラルへの対応では、現在の日本の電源構成のままだと「国内で車が作れなくなる可能性がある」と指摘し、再生可能エネルギーの推進を求めた。東北に限らず、輸出向けの国内生産台数すべてを温暖化ガス排出の少ない国・地域でつくることになれば「国内で約70―100万人の雇用に影響が出る」といい、「エネルギー政策と産業政策をセットで考える必要がある」としている。

被災地の福島県浪江町では、国や東北電力などが連携して再エネを利用した世界最大級の水素製造拠点を建設し、実証研究を進めており、昨年3月から稼働している。豊田会長は先週、同拠点を視察したことを明かし、自動車産業としても「より深いレベルで参画したい」と語った。

豊田氏は2050年の温暖化ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの達成は「自動車業界単体では難しい。エネルギーのグリーン化が必要だ」と述べ、「自動車をど真ん中に置いてエネルギー政策を考えてほしい」と話した。原材料調達から廃棄までのライフサイクル全体でみると、日本で再エネ導入が進まなければ輸出向け国内生産は難しくなるとの見方も示した。

自工会によると、2019年の国内自動車生産968万台のうち、約半数の482万台が輸出で、輸出がなくなると貿易黒字は約15兆円減るとみている。

震災後は部品メーカーの被災によりサプライチェーン(供給網)が分断され、自動車生産も一時停止を迫られたが、自動車業界は震災から学びも得た。豊田氏は、震災当時はサプライチェーンの問題把握に3週間が必要だったが、今は半日から1日で把握できると説明。当時は完成車メーカーが一次取引先を通じて二次・三次取引先に連絡していたが、今では直接「二次・三次(取引先)に依頼したり、部品メーカー同士でも助け合っている」という。

日産自動車が福島県にエンジン工場を構えているほか、トヨタが震災翌年に生産子会社3社を統合して「トヨタ自動車東日本」を設立し、宮城県と岩手県に工場を持つ。

一方、米アップルなど巨大IT企業の自動車産業への参入について、豊田氏は「自動車産業に将来性があるということ。顧客にも選択肢が広がる」と歓迎の意を示した。ただ、車は生産した後も40年間は市場に存在するとし、「ユーザーのいろいろな変化に対応する覚悟」が必要との認識も示した。

(白木真紀)

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