[シンガポール 20日 ロイター] - 中国の国有石油最大手、中国石油天然気(ペトロチャイナ)系のペトロチャイナ・インターナショナル・シンガポールが4月にジェット燃料をミャンマーに販売していたことが分かった。ロイターが、当局の輸入データで確認した。このような取引は、2月のクーデター以降、初めて。
業界筋によると、燃料販売業者は、特にジェット燃料については、ミャンマー国軍戦闘機に使用される可能性を懸念している。
中国企業のミャンマーへのジェット燃料販売は、中国のミャンマーに及ぼす影響力について新たな疑問を投げかける可能性がある。
中国外務省からは今のところコメントを得られていない。ペトロチャイナからも、燃料輸出についてコメントは得られていない。
ロイターが閲覧した未公表の輸入データによると、ペトロチャイナ・インターナショナルは4月15日にミャンマーのティラワ国際港に到着予定でジェット燃料1万3300トン、ガソリン4000トンを出荷した。
米英などは軍政の弾圧を非難し制裁を発動しているが、現時点で石油製品の輸出は違法とする国際措置はない。
シンガポールの南洋理工大学ラジャラトナム国際学院のアソシエートリサーチフェローのHenrick Tsjeng氏は「ミャンマー軍政への影響力を強めたい中国政府の意向を考えると、中国国有企業はミャンマー軍政との取引で国際社会から非難されることをさほど懸念していないとみられる」と語った。
シンガポール通産省のデータでも、4月中旬に航空タービン燃料油がミャンマーに輸出されたことが確認された。この燃料は商用機、軍用機の両方に使用可能。
ロイターは、この燃料が軍用機向けであるという証拠を得ていない。軍政の報道官にコメントを求めたが返答はない。