[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米ニューヨーク州マンハッタンの大陪審は30日、トランプ前大統領の一族が経営するトランプ・オーガニゼーションと同社のアレン・ワイゼルバーグ最高財務責任者(CFO)を不正税務を巡る罪で起訴した。事情に詳しい関係筋が明らかにした。
マンハッタン地区検察は2年以上にわたり、トランプ氏とその事業を捜査しており、今回が初の起訴となる。
複数の関係筋によると、ワイゼルバーグCFOやその他の幹部が、賃料を支払わない住居や自動車リースなど会社の手当てを確定申告で適切に報告せずに受け取っていたかどうかが焦点になる。
関係者によると、ワイゼルバーグ氏は7月1日午前に当局に出頭し、午後にはマンハッタンの裁判所で正式起訴される見通し。
トランプ氏の弁護士を務めるロナルド・フィシェッティ氏は6月28日、起訴は税と付随的な手当てに関連しておりトランプ氏本人は含まれないと検察は示唆したと明らかにした。検察は先週の話し合いで、依然として捜査を続けていると話したという。
ワイゼルバーグ氏の弁護士、およびマンハッタン地検のサイラス・バンス検事のオフィスはコメントしなかった。
トランプ・オーガニゼーションの弁護士からは現時点でコメントを得られていない。
トランプ氏は30日に米南部のメキシコ国境を訪れ、バイデン大統領が国境管理を取り払い、米国の国家安全保障をないがしろにしていると批判した。記者団からの刑事訴追に関する質問には答えなかった。
起訴により、トランプ氏の側近であるワイゼルバーグ氏に対する捜査協力の圧力が増しそうだ。これまでのところ同氏は協力を拒んでいるが、トランプ氏に対する捜査でワイゼルバーグ氏の協力が決定的な役割を果たす可能性もある。