[22日 ロイター] - 米半導体大手インテルは22日、通期売上高予想を上方修正した。ただ、これは第2・四半期が好調だったことや第3・四半期の見通しが市場予想をやや上回ったことが要因とみられ、第4・四半期の弱さを示唆。株価は引け後の時間外取引で2.8%下落した。
同社はまた、サプライチェーンの制約に依然として直面していると明らかにした。
通期の調整後売上高予想は735億ドル。従来予想は725億ドルだった。リフィニティブによると、アナリスト予想は728億ドル。
第3・四半期の調整後売上高予想は約182億ドル。市場予想は180億9000万ドル。
インテルは半導体の設計と生産の両方を自社で手掛ける数少ない企業の1社で、一部のライバル会社よりもサプライチェーン問題にうまく対処してきた。半導体の受託生産事業の構築にも取り組んでいる。
ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は、インテルが同事業構築に向けた取り組みを強化するために半導体受託生産グローバルファウンドリーズ(GF)を約300億ドルで買収する交渉を進めているという最近の報道についてコメントを控えた。
その上で、ロイターに対し、業界の再編は続く見込みだとし、受託生産事業を構築する上で「M&A(合併・買収)は引き続き弊社の戦略に含まれる」と述べた。
エドワード・ジョーンズのアナリスト、ローガン・パーク氏は「現在の状況下では投資家の半導体企業への期待はもっと大きいと思う。売上高のガイダンスは引き上げられたものの、1%程度に過ぎず、修正の大部分は税率の低下によるものだ」と指摘した。
ゲルシンガー氏は、インテルはより多くの半導体を生産できれば、販売も増えると述べた。自社工場があるとはいえ、材料や設備のサプライヤーから供給の制約に直面しているという。
ロイターに対し、「われわれは可能な限り早期に工場を建設できるよう支援しているが、爆発的な需要に完全に追いつくには数年かかる」とした上で、他社よりはうまく問題に対処する手段があると語った。
しかし、サミット・インサイツ・グループのアナリスト、キンガイ・チャン氏は「半導体のサプライチェーンで二重発注が横行しているとみられる上、最終市場の需要は鈍化しつつあり、今年第4・四半期までには需要に追いつくだろう」との見方を示した。
インテルの第2・四半期調整後売上高は185億ドルで、市場予想(178億ドル)を上回った。
CFRAリサーチのアナリスト、アンジェロ・ジーノ氏は、第2および第3・四半期を考慮すると、通期見通しは第4・四半期売上高がこれまでの予想を下回ることを示唆していると指摘した。通常、年末商戦期が含まれる第4・四半期はインテルにとって好調となることが多い。
同社は、連邦政府にスーパーコンピュータを販売する事業に関連して、第4・四半期に3億ドルの一時費用が発生すると明らかにした。
第2・四半期は利益率の高いデータセンター事業の売上高が9%減の65億ドルとなった。パソコン事業の売上高は6%増加した。ともに市場予想は上回った。
調整後1株利益は1.28ドル。市場予想は1.06ドルだった。