[台北 20日 ロイター] - 台湾の電子製品受託生産大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の劉揚偉会長は20日、欧州、インド、中南米で電気自動車(EV)を生産することを検討していると表明、ドイツの自動車メーカーと「間接的に」協力する方針も示した。
同社は18日、EVの試作品を披露した。
同会長は台北で開かれたビジネスフォーラムで、情報開示の制限で、欧州、インド、中南米での計画の詳細を明らかにできないと発言。
ドイツの自動車メーカーと協力するのかとの質問には「間接的に」と答え、まず欧州で生産を開始し、その後インドと中南米で生産を進めると述べた。メキシコが候補地になることは「非常にあり得る」とも発言した。
同会長は、提携先と共同で現地工場を建設・運営し、現地の消費者に販売する「BOL(建設・運営・現地化)モデル」を活用するとも述べた。
鴻海と多国籍自動車メーカーのステランティスは5月、「コネクテッドカー(つながる車)」関連事業の合弁会社「モバイルドライブ」を折半出資により設立すると発表した。
鴻海は今月、EVを生産するため、米新興EVメーカー、ローズタウン・モーターズの工場を買収。8月には将来、車載半導体を供給するため、半導体工場を買収している。
鴻海は、25─27年までに世界のEVの10%に部品やサービスを提供する目標を掲げている。
同会長は、台湾はソフトウエア産業と半導体産業に強みがあるため、EV生産で有利な立場にあるとの見方を示した。