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クオールHD Research Memo(5):調剤薬局は在宅調剤の取り組みが順調に進展、地域連携薬局の認定取得を進める

発行済 2021-12-23 15:05
更新済 2021-12-23 15:15
© Reuters.
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■クオールホールディングス (T:3034)の業績の動向

2. 保険薬局事業の動向
(1) 調剤売上高の状況
保険薬局事業の売上高は、調剤薬局の調剤売上高と売店やEC等の商品売上高で構成されている。
このうち、2022年3月期第2四半期累計の調剤売上高は前年同期比4.8%増の69,924百万円となった。
出店期・タイプ別内訳を見ると、自力出店店舗のうち、既存店については前年同期比6.0%増、金額ベースで1,190百万円の増収となった。
一方、M&A等で取得した店舗については、既存店と新店を分けていないためわかりにくい面もあるが、前年同期比4.8%増、金額ベースで2,230百万円の増収となっている。


調剤売上高を処方箋応需枚数と処方箋単価に分解すると、処方箋応需枚数は前年同期比7.9%増の7,026千枚、処方箋単価は同2.9%減の9,952円となった。
これらも出店期やM&A等の要因による影響を受けているため、以下ではそれぞれについてもう少し詳細に見る。


処方箋応需枚数の実態に近いと考えられる既存店の増減率は前年同期比10.1%増となった。
前年同期はコロナ禍で受診を控える動きや長期処方を行う動きが出て前年同期比11.8%減と大きく落ち込んだが、病院や薬局での感染防止対策が進んだことにより、こうした動きも和らいだことが回復につながった。
ただ、コロナ禍前の水準と比較するとまだ低い水準にとどまっている。
また、2021年8月以降は伸び率も鈍化しているが、首都圏を中心に感染者数が再拡大したことが影響したと見られる。


一方、既存店の処方箋単価は前年同期比3.7%の低下となった。
前年同期が10.3%の上昇だったことを考えると、下落率は小幅にとどまったと見ることもできる。
前述したように、処方期間の短期化や薬価改定の影響により1枚当たりの薬剤料は下落したものの調剤技術料が上昇した。
GE医薬品の取扱い率上昇や地域支援体制加算取得店舗の増加、在宅調剤の推進などが調剤技術料の上昇要因となっている。
特に、GE医薬品の取扱い比率(数量ベース)については、グループ全体で2020年9月時点の82.9%から2021年9月時点では86.0%まで上昇し、厚生労働省が目指しているGE比率8割の水準を大きくクリアしている。
最高点数となる28点(取扱比率85%以上の店舗)を取得した店舗の構成比は、2020年4月の47.8%から、2021年4月には64.7%、2021年9月には67.5%まで上昇しており、単価上昇に寄与している。


調剤技術料については地域のかかりつけ薬局としての機能充実や、医師より処方された薬の用量や飲み方が適切かどうか、薬同士の相性の確認しながら薬の調整など、店舗の付加価値分に相当する。


なお、2021年8月から新たに導入された薬局の機能別認定制度に対応しては、もともとマンツーマン薬局を主力とすることから、その取り組みも進んでいる。
機能別認定制度とは、薬局を機能別に「地域連携薬局」及び「専門医療機関連携薬局」の2分類とし、それぞれ一定要件を満たした店舗を都道府県知事が認証する制度となる。
店舗によっては「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の両方で認証取得することも可能で、逆にいずれの要件も満たさない場合は、認定外薬局となる。
超高齢社会の到来に向けて課題となっている在宅医療への対応として、医療や介護を含めた「地域包括ケアシステム」構想を確立していくための施策で、患者自身が適した薬局を選択できるようにすることを狙いとしたものだ。


同制度の導入によって現状直接的な収益への影響はまだないものの、2022年度以降の診療報酬改定において、調剤技術料の算定に影響する可能性が高い。
特に、地域薬局を展開する中小規模の企業では「地域連携薬局」として認証されることが重要になると見られ、経営体力面から大手企業の集約化が一段と進む可能性もある。
同社にとっては、グループ化による出店拡大の好機になると弊社では見ている。
同社では2021年12月末時点で地域連携薬局106店舗、専門医療機関連携薬局7店舗の認定を取得しており、「地域連携薬局」については2022年3月末までに120店舗にするとともに、将来的にはすべての薬局で地域連携薬局あるいは専門医療機関連携薬局の認定を受ける計画としている。


(2) 出退店とM&Aの状況
2022年3月期第2四半期末の店舗数は829店舗となり、前期末比で18店舗の増加となった。
年間で50~70店舗の増加を目指していることからすれば、ややスローペースとなっている。
これはコロナ禍の状況が続くなかで、M&A交渉がスムーズに進みにくく、交渉開始からクロージングまでの期間が従来よりも長くなっていることが要因だ。


新規出店の内訳を見ると、12店舗がオーソドックスな自社出店(マンツーマン型)、8店舗がM&Aによる取得となっており、1店舗は良品計画 (T:7453)の無印良品 直江津店舗内にオープンした「まちの保健室」において協業パートナーとして参画した店舗となっている。
「まちの保健室」では地域の生活者の“健やかな暮らし”に貢献するために、定期的な健康をテーマとしたイベントの開催や、健康維持や疾病予防などのための商品を販売する場となっており、医薬品や一般用医薬品を同社店舗で販売する。
地域密着型の新たな店舗形態として今後の取り組みが注目される。


一方、退店は3店舗となり、うち2店舗はローソンとの連携店舗となっている。


(3) 利益率改善要因
保険薬局事業の営業利益率は前年同期の4.4%から6.9%に上昇している。
利益率の改善要因は、処方箋応需枚数の回復と調剤技術料単価の上昇による利益増効果と、生産性向上による効果となっている。
同社ではここ数年、店舗の生産性を高めるため各種自動化機器の導入を進めてきたことで店舗当たりの薬剤師数の最適化が進み、地方店舗では派遣薬剤師が不要となるなど人件費率の低下につながっている。
例えば、従来は手作業で行っていた薬剤のピッキングや調合作業を自動化機器の導入によって省力化している。
薬剤師が1日に対応できる患者数の上限が40人と決められているため生産性向上には限界があるものの、当面はその効果が継続するものと考えられる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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