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エスプール Research Memo(11):中計目標の売上高410億円、営業利益50億円達成の蓋然性高まる

発行済 2022-02-09 15:21
更新済 2022-02-09 15:30
© Reuters.
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■今後の見通し

3. 中期経営計画
エスプール (T:2471)は2021年11月期から5ヶ年の中期経営計画をスタートしている。
基本方針として「環境変化に強いバランスの取れたポートフォリオ経営の推進」に取り組み、「社会的価値と経済的価値創出の両立」をテーマに掲げている。
業績目標としては2025年11月期に売上高410億円、営業利益50億円を目指す。
5年間の年平均成長率で見ると売上高で13.3%、営業利益で17.0%となり、2ケタ成長を継続していく計画となっている。


市場環境としては、コロナ禍が長引くなど景気の不透明感が続くものの、人材流動化や企業のアウトソーシングニーズの高まりは継続し、また、同社固有の要因として障がい者雇用の拡大、EC通販市場の拡大、企業の環境経営意識の高まり、小規模自治体におけるBPOニーズの増加といった点が成長機会につながるものと弊社では考えている。
また、同社は今回の中期経営計画期間について、既存事業の成長だけでなく次の10年を見据えた第3、第4の収益柱を育成していく期間と位置付けている。


今後の成長戦略は以下の通り。

(1) 既存事業の深堀りによるオーガニック成長
a) 障がい者雇用支援サービス
障がい者雇用支援サービスでは、「一人でも多くの障がい者雇用を創出し、社会に貢献する」ことをミッションとし、5年間で運営管理区画数1万区画、障がい者雇用5千名、60農園の創出に取り組んでいく。
1万区画の達成は3大都市圏での展開だけでも達成可能な水準と考えており、今後は行政連携を各エリアで推進していくことで、年間7~8園のペースで新規農園を開設し、2022年11月期以降は年間1,200区画超の販売ペースで積み上げを図っていくことになる。
2021年11月期の設備販売が想定を上回るペースで進捗したこともあり、同社では2025年11月期の売上目標を従来の7,760百万円から8,100百万円に上方修正している。
設備販売が前倒しで進んでいることによる運営管理収入の増加が主な修正要因となっている。
営業利益率に関しては、運営管理収入の構成比上昇が続くことで2~3年は低下傾向が続く見通しだが30%台は維持できる見込みで、2025年11月期においても全体の営業利益の過半を同事業で稼ぎ出すものと弊社では予想している。


b) ロジスティクスアウトソーシングサービス
ロジスティクスアウトソーシングサービスでは、「環境に配慮した次世代型のロジスティクスサービスの確立」をミッションとし、EC通販代行を軸とした事業規模の拡大と、日本初のゼロ・エミッションを実現した自社物流センターの開設に取り組んでいく方針を掲げている。
ゼロ・エミッション物流センターの開設時期は2022~23年頃を目途として準備を進めていく予定であったが、当面は収益体質の強化を優先的に取り組んでいく方針とし、新規物流センターの開設はその次のステップとした。
また、2025年11月期の売上目標についても従来の2,500百万円から2,000百万円(2023年11月期以降の年平均成長率は12%)に引き下げている。


c) 採用支援サービス
採用支援サービスでは、「雇用創出を通じた地方創生支援」をミッションとし、事業規模の拡大を推進していく。
アルバイト・パートの採用支援業務で業界トップシェアの獲得を目指すほか、採用から定着化までの総合的なサービスの提供にも取り組むことで、事業規模の一段の拡大を目指している。
ただ、コロナ禍が長引くなど市場環境の回復が想定より遅れていることから、2025年11月期の売上目標については従来の1,300百万円から1,000百万円(2023年11月期以降の年平均成長率は16%)に引き下げている。


d) 人材派遣サービス
人材派遣サービスでは、「未経験者や就労経験の少ない若者の多様な働き方の実現」をミッションとし、コールセンター派遣分野でのトップシェア獲得、並びに新たな派遣領域(自動化への代替が難しい業務の開拓、未進出地域の開拓)への展開に取り組んでいく。
2025年11月期の売上目標については直近の売上動向なども勘案して、従来の27,500百万円から25,200百万円(2023年11月期以降の年平均成長率は9%)に引き下げている。


(2) 新事業領域における成長機会の獲得
新規事業の2025年11月期売上目標については従来の500百万円から3,500百万円と大幅に引き上げた。
広域行政BPOサービスと環境経営支援サービスの高成長が見込める状況となってきたためだ。
広域行政BPOサービスに関しては、2025年11月期までに25拠点体制を確立し、売上高で3,000百万円を見込んでいる。
人口10万人以下の小規模自治体は全国で1,340ヶ所あり、潜在需要として最大100ヶ所程度のBPOセンターの需要があると同社では見ている。
小規模自治体に関しては単独でBPO事業者に業務委託する予算が無いところも多く、同社の広域行政BPOサービスに対するニーズは強いと弊社では見ている。
今後は競合事業者も出てくることも想定されるため、同社は早期に市場シェアを獲得し同領域での確固たる地位を構築していく考えだ。
なお、営業利益率に関しては20~25%程度を想定している。


一方、環境経営支援サービスについては、CDPやTCFD関連のコンサルティング業務が伸びることで、2025年11月期に売上高500百万円を見込んでいる。
ただ、今後の受注状況次第では上振れする可能性も十分あると弊社では見ている。


(3) ESGを軸とした経営基盤の強化
組織戦略として、ESGを軸とした経営基盤の強化に取り組んでいく。
E(環境)分野では、ロジスティクスアウトソーシングサービス事業において「再エネ100宣言RE Action」※へ参画するなど、自発的な環境配慮の取り組みにより自らの環境負荷軽減を図っていくほか、環境経営支援サービスを通じて環境課題の解決に貢献していく。
S(社会)分野では、女性従業員の管理職への積極登用などダイバーシティの推進と一体感のある組織運営に取り組んでいくほか、社会変化や課題を敏感に察知し、主体的に解決に取り組む社会的感度の高い人材の採用・育成に取り組んでいく。
G(ガバナンス)分野では、高い経営の透明性と適切な情報開示の継続に取り組んでいくほか、コンプライアンスや情報セキュリティ対策を徹底し、ガバナンスのさらなる強化を図っていく。
なお、同社は2022年4月の東京証券取引所市場区分の再編に伴って、プライム市場に移行する予定となっている。


※企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100%利用を促進する新たな枠組みのこと。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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