[ブリュッセル 15日 ロイター] - 欧州連合(EU)は15日、ウクライナへ侵攻したロシアに対する新たな制裁措置を正式に承認した。ロシアのエネルギー部門への投資、高級品の輸出、ロシアからの鉄鋼製品輸入の禁止を盛り込んだ。今日から適用する。
サッカークラブ「チェルシー」のオーナー、ロマン・アブラモビッチ氏など、ロシアを支援する企業経営者の資産も凍結する。
欧州委員会は声明で、「ロシアのエネルギー部門全体に対する新規投資の広範囲に及ぶ禁止」が制裁に含むと説明。EU筋がロイターに明らかにしたところによると、ロシア石油メジャーのロスネフチ、トランスネフチ、ガスプロム・ネフチが対象になるが、EU加盟国はこれらの企業から石油やガスの購入は可能という。
クレムリンの軍産複合体とつながる一部ロシア国営企業との取引も全面的に禁止される。
欧州委によると、ロシアの鉄鋼輸入禁止の製品への影響は推計33億ユーロ(36億ドル)。このほかEU企業は、宝飾品など300ユーロ以上の高級品の輸出ができなくなる。5万ユーロを超える自動車の輸出も禁止される。
EUの格付け機関がロシアおよびロシア企業に格付けを付与することも禁止。ロシア企業による欧州金融市場へのアクセスがさらに制限されることになるとしている。
今回の制裁は、ロシア中央銀行の資産凍結や、ロシアとベラルーシの一部銀行に対する国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除など3度にわたる制裁措置に続くもの。
EUは15日、ロシアから「最恵国待遇」の貿易ステータスを剥奪することでも合意した。