[コロンボ 5日 ロイター] - スリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は5日、非常事態宣言の解除を発表した。これに先立ち議会では少なくとも41人の議員が与党連合から離脱、大統領率いる政権は少数与党に転落した。経済危機に見舞われる中、国内では抗議デモが激化、政権運営は一段と厳しさを増している。
大統領の弟のバシル・ラジャパクサ財務相に代わって新財務相に指名されたアリ・サブリ氏も、国際通貨基金(IMF)の融資プログラムを巡る重要な交渉を控え、わずか1日で辞任した。
多額の負債を抱える同国では食料、燃料、医薬品が不足。停電も長期化し、抗議デモが激化している。
ラジャパクサ大統領は4日、閣僚を辞任させ、挙国一致内閣の樹立を目指す方針を表明した。
大統領は、治安維持などを理由に、1日に非常事態を宣言したが、5日遅くに発行した官報で、非常事態を解除すると明らかにした。
今後のシナリオとしては、ラジャパクサ大統領の兄のマヒンダ・ラジャパクサ首相の後継が指名されるか、2025年の予定を大幅に前倒しして解散総選挙が行われる可能性がある。
野党はラジャパクサ大統領とマヒンダ首相の辞任を要求。全政党が参加する挙国一致内閣の樹立にも反対している。野党は解散・総選挙を求めることが可能だ。