[7日 ロイター] - 米国の高齢者向け公的医療保険「メディケア」の当局は7日、米バイオジェンのアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」について、保険適用を臨床試験の参加者に限定する方針を最終決定した。
メディケアを管轄するメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は、アデュヘルムに類似の治療薬については、米食品医薬品局(FDA)の通常審査を経て承認された場合、保険適用を認めるとした。
FDAは昨年6月、アデュヘルムを迅速承認した。脳内に蓄積したアミロイド斑を除去することで、患者の認知機能低下を遅らせる可能性が高いとした。
だが、メディケアは今年1月、アデュヘルムの有効性に疑義を示し、同薬および開発段階の類似薬への保険適用を臨床試験参加者に限定することを提案していた。
バイオジェンは声明で「CMSの異例の決定は事実上、全てのメディケア受益者のアデュヘルムへのアクセスを拒否するものだ」と指摘。事業への影響を評価しながら、慎重に選択肢を検討しているとした。
アミロイド斑を除去する薬は、イーライリリー、ロシュ・ホールディング、エーザイの開発が進んだ段階にある。
メディケアの最終決定によると、FDAの通常手続きで承認され、患者への明白な利益を示す薬剤については、その後の臨床試験の要件は設けられない。
イーライリリーとエーザイはいずれも、自社のアルツハイマー病薬について迅速承認を求める方針を示している。