2020年から続くコロナ渦において、半導体株、海運株、商社株が相場の主役として買われてきたが、本年度は物色の矛先がどこに向かうかが市場の注目点と言える。
■NTTとKDDIは市場の人気を集める
東京株式市場は、2022年度3月期決算の発表時における23年3月期業績予想を見極める必要があり、積極的に買い進む動きが控えられる中、21日の日本電信電話(NTT)<9432>(東証プライム)とKDDI<9433>(東証プライム)が年初来の高値を更新と堅調で、NTTは時価総額第3位、KDDIは同6位に入り、情報・通信業の2社が市場の人気を集めている。
■NTTは株主還元に対する期待に買い需要が発生
NTTは、2023年度EPS370円の目標を掲げ、同社グループの再編で1000億円の利益成長に向けて取り組んでいるが、同社は2022年3月期11期連続増配を予定し、過去10年以上にわたって自社株買いも毎年実施していることから、株主還元の期待出来る銘柄として評価が高まっている。
加えて、市場再編に伴うTOPIX構成銘柄の浮動株比率の見直しで、同社株に買い需要が発生するとの思惑も株価を押し上げている。
■5月12日の3月期本決算発表に注目
5月12日に発表が予定される3月期本決算において、市場予想を下回らない23年3月期業績見通しが明らかになれば、半導体株、海運株、商社株のように上昇し、相場を先導するような動きを鮮明にする可能性はある。
また、情報・通信業は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化が進み、これを支援するサービス等が伸びているので、業績が好調で比較的財務内容が良く、金利上昇にも強い銘柄が多いことから、NTT、KDDIに続く銘柄が増えるか注目すべきだろう。(信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)