[東京 27日 ロイター] - 大和証券グループ本社が27日に発表した2022年1―3月期は、連結純利益が前年同期比64.5%減の179億円だった。世界的な金利上昇とウクライナ情勢の悪化を受けて株式相場が調整局面を迎える中、業績が落ち込んだ。
部門別の経常利益は、リテール部門が67億円で前年同期から41.0%減少した。ホールセール部門は104億円で、同49.5%の減少となった。株式投信の販売や外国株の売買が低迷し、株式や債券の引き受けも振るわなかった。
佐藤英二CFO(最高財務責任者)は電話会見で、足元の業績動向については「2月下旬から3月にかけて底をついた」として、個人投資家のセンチメントは回復傾向にあるとの認識を示した。債券や為替などの取引については「好調なスタート」を切っているといい、円安や金利のボラティリティの上昇を受けて、顧客のフローが増加しているという。株式の発行など引き受け業務は、引き続き厳しい状況だ。
第4・四半期の落ち込みが激しかったものの、22年3月期通期の実績は純営業収益が前期比7.6%増の5020億円、経常利益は17.9%増の1358億円、前の期に特別利益を計上したことから、純利益は12.5%減の948億円となった。リテール部門の経常利益は418億円で、中期経営計画最終年度(2023年度)の経常利益目標400億円を達成した。
佐藤CFOは、通期決算を受けて、これまでの資産管理型ビジネスモデルへの転換とコスト構造改革での取り組みの効果が大きいと評価した上で、第4・四半期を振り返り、転換をさらに加速させる必要があるとの考えを改めて示した。
同時に発表したゆうちょ銀行で取り扱いを開始する「ゆうちょファンドラップ」の提供により、転換に弾みをつける考えで「数年で資産残高を1兆円規模にしたい」と述べた。
同社は、23年3月期の業績予想は、経済情勢や相場環境に大きな影響を受けるとして開示していない。IBESがまとめたアナリスト6人によるコンセンサス予想では、連結純利益の平均値は916億円となっている。