[ベルリン 27日 ロイター] - ドイツ、イタリア、ハンガリーの検察当局は27日、スズキのディーゼル車が検査時のみ有害物質の排出量を抑える装置を搭載していた疑いで家宅捜索を行った。
独検察の27日の声明によると、捜査はスズキグループ、ステランティスグループ、マレリグループの責任者に関連しており、欧州司法機構による協調行動の一環として、ドイツ、イタリア、ハンガリーで捜索が行われている。
欧州司法機構によると、検査時に排ガスの有害物質の量がEU基準を満たしているようにする装置がイタリアで製造されたディーゼルエンジンに設置され、そのエンジンはハンガリーの組立工場で使われた。
ドイツに欧州本部を置くスズキの広報担当者は、同社および現地の経営陣が「捜査当局に協力している」と指摘。ただ、捜査が進行中であるため、これ以上コメントできないとした。
ステランティスはフランクフルトでの捜査の一環として、子会社のFCAイタリアがスズキに供給したディーゼルエンジンに不正が疑われている排ガス制限ソフトウエアを使用していたことに関する情報や文書の提供を求められたと発表。「引き続き今回の件に関する捜査に全面的に協力していく」とした。
マレリは声明で、捜査当局に協力しているとし、「規制を完全に順守して常に業務を遂行してきたと確信している」とした。
EUの厳格化した排ガス規制をかいくぐるための不正は2015年のフォルクスワーゲンのいわゆる「ディーゼルゲート」がある。このときは世界で1100万台に影響し、VWは改修や罰金、裁判費用など400億ドル以上のコスト負担となった。