[26日 ロイター] - 米国株式市場は大幅続伸して取引を終えた。小売り企業の堅調な業績見通し発表が相次いだほか、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げに対する懸念が和らいだことから、買い戻し機運が高まった。
主要株価3指数ではテクノロジー株が中心のナスダック総合が2.7%高と上昇率が最大だった。アップル、テスラ、アマゾン・ドット・コムの上昇に押し上げられた。
ダウ工業株30種も500ドル超値上がりした。
景気動向に敏感な一般消費財や半導体セクターが市場全般をアウトパフォームした。
週間ベースでは、主要3指数はいずれも過去数十年で最長の下げに終止符を打つ見通し。この下落局面でS&P総合500種は14.1%下げ、弱気相場入りを確認する水準に迫っていた。
現在の水準で今週の取引を終了すれば、3指数は週間で3月半ば以来の大幅な上げとなる。
CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は「第1・四半期決算発表がほぼ終わり、予想を上回る結果となったことや、FRBが利上げを前倒しし、秋に一時停止する可能性を示唆したことが投資家の楽観ムードにつながった」と述べた。
通期利益見通しを上方修正した百貨店大手メーシーズは、19.3%の大幅高となった。
ディスカウント小売大手のダラー・ゼネラルとダラー・ツリーは13.7%、21.9%それぞれ値上がり。ともに通期売上高見通しを引き上げ、高インフレで消費者が低価格商品を購入していることを示した。
FRBが25日に公表した5月3─4日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、ここ数週間の市場のボラティリティーにつながっていた積極的な引き締めを巡る懸念が後退した。
26日に発表された一連の経済指標も、FRBが秋までにハト派に傾くのに十分な軟調さを示した。
S&Pの主要11セクターでは不動産を除く全てが上昇。一般消費財が4.8%高と上げを主導した。情報技術は2.5%高、金融は2.3%高。
ツイッターは6.4%上昇。米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、ツイッター買収に絡み同社株を操作し下落させたとして、ツイッターの一部株主がマスク氏を提訴したことが明らかになった。
中国の電子商取引大手、アリババ・グループの米上場株は14.8%高。中国での新型コロナウイルス関連規制を踏まえ、業績見通しを示さなかったが、四半期決算が予想を上回ったことが好感された。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を5.16対1の比率で上回った。ナスダックでも2.95対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は114億3000万株。直近20営業日の平均は132億2000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 32637.19 +516.91 +1.61 32248.17 32774.1 32248.17
4
前営業日終値 32120.28
ナスダック総合 11740.65 +305.91 +2.68 11409.84 11796.9 11406.16
7
前営業日終値 11434.74
S&P総合500種 4057.84 +79.11 +1.99 3984.60 4075.14 3984.60
前営業日終値 3978.73
ダウ輸送株20種 14141.67 +397.70 +2.89
ダウ公共株15種 1022.04 +1.32 +0.13
フィラデルフィア半導体 2994.61 +111.69 +3.87
VIX指数 27.50 -0.87 -3.07
S&P一般消費財 1160.27 +52.90 +4.78
S&P素材 535.52 +9.57 +1.82
S&P工業 788.97 +15.43 +1.99
S&P主要消費財 769.45 +8.61 +1.13
S&P金融 580.10 +12.76 +2.25
S&P不動産 272.51 -0.27 -0.10
S&Pエネルギー 658.06 +7.44 +1.14
S&Pヘルスケア 1533.01 +6.34 +0.42
S&P通信サービス 195.62 +3.96 +2.06
S&P情報技術 2388.15 +57.10 +2.45
S&P公益事業 375.40 +1.02 +0.27
NYSE出来高 10.50億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 26975 + 365 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 26960 + 350 大阪比