[東京 5日 ロイター] - KDDIは5日、2日未明から続いていた通信障害について、全面的に復旧したと発表した。個人・法人顧客ともにサービス利用状況に問題がないことを同日午後3時36分に最終確認した。
5日夜に会見した吉村和幸取締役執行役員専務と山本和弘執行役員は「長期にわたり多大なご迷惑をお掛けした」と謝罪。個人、法人の利用者への補償について「影響の範囲を確認する」としたうえで、「早急に検討し報告する」と述べた。
KDDIによると、7月2日午前1時35分から4日の午後3時までの61時間25分にわたり障害が発生し、最大3915万回線に影響が出た。音声通信の交換機に処理能力を超えるデータが集中し、広範囲における通信障害が起きた。個人・法人向けのスマートフォン・携帯電話の利用者のほか、同社回線を使った宅配の情報システムや気象データ、ATM(現金自動預払機)なども影響を受けた。障害に関するカスタマー部門への申告数は5日午後1時時点で9万6723件あったという。
この障害について金子恭之総務相は3日、電気通信事業法上の重大事故にあたるとの認識を示したほか、5日の会見では「通信事業者としての責任を十分に果たしていない」と指摘。正式な報告を踏まえ、監督官庁として対応をとっていく考えを示した。
同社では、今後は詳細な原因究明と再発防止策の策定を行い、顧客への周知の在り方について検討するとしている。