[8日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は8日、ツイッターに対する総額440億ドルの買収提案を撤回すると発表した。複数の合意条項に重大な違反があったとしている。
ツイッター株価は引け後の時間外取引で6%下落した。
マスク氏の代理人は証券当局に提出した資料で、ツイッターのプラットフォーム上の偽アカウントやスパムアカウントに関する情報を複数回にわたり要求したものの、同社が応じなかったと指摘。
「ツイッターには契約の複数条項で重大な違反があり、マスク氏が合併契約を締結する際に信頼したことについて虚偽かつ誤解を招く説明をした」と主張した。
またマスク氏は、ツイッターが上級幹部や人材採用チームの3分の1を解雇し、現状の企業組織を実質的に維持するという義務に違反したとし、これも買収撤回の理由と指摘した。
ツイッターのブレット・テイラー会長は「取締役会はマスク氏と合意した価格と条件で取引を完了させることにコミットしている」とし、買収契約の執行に向け法的措置を取る考えを示した。
マスク氏は5月中旬、「スパムや偽アカウントが本当にユーザー数の5%以下か裏付ける情報を得るまで、合意は一時的に保留にした」と明らかにしていた。
ウェドブッシュのアナリスト、ダニエル・アイブズ氏は「これはツイッターと取締役会にとって最悪のシナリオだ。同社は今後、合意を実行か10億ドルの違約金を得るために長い法廷闘争でマスク氏と争うことになる」と顧客メモで指摘した。