[パリ/ベルリン 20日 ロイター] - 世界的な半導体不足で自動車業界の供給網が逼迫する中、ドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)と欧州半導体メーカー、STマイクロエレクトロニクスは20日、両社で新たな半導体を開発すると発表した。
欧州最大の自動車メーカーVWが、部品メーカーと取引するティア2、ティア3の半導体メーカーと直接的な関係を構築するのは初めて。次世代自動車や低炭素排出車に多く搭載されている半導体の調達力を高めるために努めていることを物語る。
VWのソフトウエア開発子会社のカリアドは5月、ほとんどの状況で人間が介入せずに自動的に走行できる「レベル4」までに対応する自動運転システム向けの半導体を、米半導体大手のクアルコムから調達すると明らかにしている。
カリアドの広報担当者は、VWとSTマイクロの共同開発がクアルコムとの取引に影響を与えることはないと説明している。
VWとSTマイクロは業績への影響は明らかにしていない。STマイクロは、VWにとって最重要の技術提携先の一つとなる。
声明の中でカリアドとSTマイクロは、次世代車向けのマイクロコントローラユニット(MCU)「ステラー」の製品群の一部となる半導体を共同開発すると表明。両社は、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が製造することで「合意に向け動いている」と説明した。