[27日 ロイター] - フェイスブックを運営する米メタ・プラットフォームズが27日に発表した第2・四半期決算は売上高が減少し、市場予想を下回った。四半期での減収は初めて。
世界的なリセッション(景気後退)のリスクが高まり、他社との競争でデジタル広告事業が圧迫される中、先行きについてもさえない見通しを示した。
株価は引け後の時間外取引で約3.4%下落した。
第2・四半期の総売上高は前年同期の290億8000万ドルから288億2000万ドルに減少。アナリスト予想の289億ドルをやや下回った。
純利益も前年同期の103億9000万ドル(1株当たり3.61ドル)から66億9000万ドル(同2.46ドル)に減少した。
利用者数の伸びはまちまちで、フェイスブックの月間アクティブユーザー数は前年比1%増の29億3000万人と、アナリスト予想をやや下回った。一方、1日当たりのアクティブユーザー数は19億7000万人で予想を大きく上回った。
第3・四半期の売上高見通しは260億─285億ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は305億2000万ドルだった。
多くのグローバル企業と同様にメタもドル高が収益を圧迫している。同社は第3・四半期の売上高の伸びについて、為替による約6%の下押しを織り込んでいるとした。
デジタル広告事業は検索サイトとSNS(交流サイト)で明暗が分かれつつあるもようで、広告主が支出を抑制する中でSNSへの影響がより大きくなっている。
アルファベットが前日発表した第2・四半期決算は増収となり、グーグルの検索広告収入は市場予想を上回った。一方、スナップとツイッターはいずれも売上高が市場予想を下回り、今後の広告市場減速を警告した。
メタはアップルによる昨年のプライバシー保護強化に広告事業を対応させると同時に、動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)との競争も激化している。
同社はTikTokに対抗してユーザーのフィードへの組み込みを強化している短編動画機能「リールズ」について、年間10億ドルを超える収入を生み出していると明らかにした。
ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏は、経済情勢や世界の広告市場の減速、TikTokとの競争などにメタが「非常に大きな影響を受けている」と述べた。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、フェイスブックとインスタグラムのコンテンツの約15%は人工知能(AI) が提案しており、来年末までにこの割合は2倍になるとの見通しを示した。
同社はこうした中核事業の収益性維持に資金を投じる一方、長期事業としてメタバース(巨大仮想空間)関連のハードウエアやソフトにも投資している。
第2・四半期は仮想現実(VR)ヘッドセット「クエスト」などの端末販売を含む非広告収入が2億1800万ドルで、前年の4億9700万ドルから減少。
メタバース関連技術の開発を担当するリアリティーラボ部門の売上高は4億5200万ドルで、第1・四半期の6億9500万ドルから減少した。
同社は複合現実(MR)ヘッドセット「プロジェクト・カンブリア」を年内に発売する見通し。
コスト急上昇と売上高減少を受け、第2・四半期の営業利益率は29%と、43%から低下した。
メタはこのほか、デービッド・ウェナー最高財務責任者(CFO)が11月に新設する最高戦略責任者に就き、財務担当バイスプレジデントのスーザン・リー氏が新CFOに就任すると発表した。