[シンガポール 1日 ロイター] - 英金融大手HSBCホールディングスが1日発表した上期決算は、税引き前利益が15%減の92億ドルとなった。貸倒引当金が純金利収入の増加を上回った。一方、主要な業績目標を引き上げた。金利上昇が収入拡大に寄与するとしている。
アナリスト予想の平均(81億5000万ドル)は上回った。
景気の不透明感の高まりと物価上昇により困難な状況に陥る借り手が増えたため、より多くの借り手が困難に陥ったため、貸倒引当金として 11億ドルを計上した。
1株当たり0.09ドルの中間配当を支払う方針を示したが、今年自社株買いを行う可能性は依然として低いとした。
来年初めから四半期配当を再開する方針も示した。配当をできる限り早期に新型コロナウイルス流行前の水準に戻すとしている。
香港市場のHSBC株は2.5%以上上昇。
2023年以降の短期的な有形自己資本利益率(ROTCE)の目標を12%以上に引き上げた。
利益に占めるアジア事業の比率は69%。前年同期は64%だった。
香港区議会(地方議会)の議員はHSBCに対し、アジア事業を分離し筆頭株主の中国平安保険から取締役を迎え入れるよう求めているが、同行は欧米事業の再編を加速し、引き続きグローバルなネットワークを活用して利益を押し上げると表明した。