[ロンドン 4日 ロイター] - ロシア国営ガスプロムが、主要ガスタービンの油漏れ発見を理由として海底パイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州へのガス供給再開を無期限で延期したことを受け、5日の欧州市場でガス価格が再び急騰するとアナリストは予想している。
同パイプラインは保守点検のために3日までの予定で停止していたが、20%の稼働率で再開するとの期待で欧州ガス価格の指標となるオランダTTFは8月26日の過去最高値から約40%下げており、2日の終値は1メガワット時当たり200ユーロ強だった。
調査会社のエナジー・アスペクツのアナリストは、市場は供給再開を既に織り込んでいたため、週明け5日はTTFがかなり高く寄り付くと予想した。
調査会社オーロラ・エナジー・リサーチのコモディティー担当シニア・アソシエート、ジェイコブ・マンデル氏は欧州が他の供給源からガスを調達できるかどうかで、ロシアによる供給再開延期の影響が決まると予想。その上で「供給確保は難しく、ロシア産ガスを他に置き換えることが、ますます困難になっている」とした。
ドイツのエネルギー規制当局である連邦ネットワーク庁のミュラー長官は先月、同国のガス貯蔵率が100%であっても、ロシア産ガスの供給が完全に停止すれば2カ月半で貯蔵が底を突くと述べた。