[東京 9日 ロイター] - 国土交通省は9日、日野自動車の排ガスと燃費性能に関する不正問題を巡り、不正行為を起こさない体制への抜本的な改革を促すため、同社に「是正命令」を出したと発表した。
斉藤鉄夫国交相は同日午後、日野の小木曽聡社長に是正命令書を交付し、約20年もの長年にわたるエンジン不正行為は「極めて悪質」と指摘。「組織風土や体質に重大な問題がある」と述べ、1カ月以内に再発防止策を報告するよう求めた。
是正命令は、型式指定の申請などで不正をした自動車メーカーに改善を命じ、体制の見直しを求める制度で、命令に違反すれば50万円以下の罰金を法人に科す。
2017年以降、日産自動車などで出荷時の完成検査で不正が相次いだことを受け、19年5月施行の改正道路運送車両法で新たに盛り込まれた。適用は初めて。
同時に、排ガス性能が基準に適合しないことが確認されたエンジンについては型式指定の取り消しに向けた手続きを開始する。日野などに意見を聞いた上で最終判断するが、7機種のエンジン自体とそのエンジンを搭載した車両の型式指定が取り消される見通し。基準適合が確認されたエンジンについては出荷再開を認めるとした。
国交省は8月2日に日野から不正行為に関する報告を受け、8月3日から9月8日まで断続的に同社へ立ち入り検査を実施してきた。