[東京 5日 ロイター] - ANAホールディングス傘下の全日本空輸(ANA)は5日、2022年度の冬の一時金について、新型コロナウイルス感染拡大前の水準である月例賃金2カ月分とする方針を労働組合に提案した。併せて、業績連動型の一時金を最大1カ月分にすることも提案した。同社の広報担当者が明らかにした。冬の一時金支給は3年ぶり。
コロナ禍で落ち込んだ旅客需要が回復しつつあるため、これまでの社員の協力に報いるほか、物の値上げが相次いでおり、社員の生活不安を少しでも払拭するのが狙い。
コロナ禍の影響で業績が悪化し、同社は20・21年度の冬の一時金をともに支給せず、夏の一時金も21年度はなし、22年度は1カ月分にとどまった。コロナ前は、夏と冬の一時金を各2カ月分、年度終了後の業績連動型一時金は2カ月分を支払っていたため、年度ベースではコロナ前の水準を回復できていない。
ANAホールディングスの23年3月期の連結業績予想は210億円の最終黒字(前期は1436億円の赤字)と3年ぶりの黒字転換を見込むが、行動制限や水際対策の緩和で旅客需要は回復途上にあるものの、燃料高などの懸念材料もあり、先行き不透明なことから、支給額は慎重を期する考え。