[20日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、欧州連合(EU)首脳会議向けのビデオメッセージで、ロシアはウクライナ国民がEU域内に移住するよう仕向けるために、ウクライナの電力インフラを攻撃していると述べた。
ゼレンスキー大統領は今週に入り、ロシア軍の攻撃で国内の発電所の約3割が破壊されたと表明。ウクライナは全土で電力供給を20日から制限している。
ゼレンスキー大統領は「ロシアはEU域内への新たな移民の波を引き起こそうとしている」とし、「ウクライナのエネルギー施設に対するロシアのテロ行為は、この秋と冬に電力と暖房を巡る問題を最大限作り出し、ウクライナから欧州諸国に多くの移民が流入するように仕向けることを目的としている」と述べた。
その上で、ウクライナに対する一段の対空システムの提供のほか、ロシアに無人機(ドローン)を提供している疑いのあるイランに対する制裁導入を呼びかけた。
国連によると、ロシアによる侵攻開始前のウクライナの人口の約19%に当たる770万人が現在、欧州各地で暮らしている。