[ソウル 27日 ロイター] - 韓国サムスン電子が27日発表した第3・四半期決算は、営業利益が31%減少した。景気悪化を背景に電子機器や半導体メモリーの需要が減少した。地政学情勢を巡る不透明感により2023年初めまで需要低迷が続く可能性が高いとの見通しを示した。
ただ、来年下期には新規データセンターやパソコン向けの半導体需要が回復する可能性があるとした。
23年のメモリーチップ投資計画に変更はない見込みという。
サムスンの決算は韓国の半導体大手SKハイニックスよりは好調だった。SKハイニックスが前日発表した第3・四半期決算は60%の減益となった。半導体需要がこれまでにないほど悪化しているとし、23年の設備投資を前年比50%以上縮小する方針を示した。
サムスンはNAND型フラッシュメモリーチップ市場について、23年に回復しない可能性があると予想したが、「優れた」コスト構造を活用して「需要を生み出す」計画だとした。
ケープ・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、パク・サンスン氏は「サムスンはこのダウンサイクルを利用して、SKハイニックスやキオクシアなどNAND事業を手掛ける他社を締め出そうとしているようだ」と語った。
半導体価格の下落は続いており、サムスンの第4・四半期の収益は一段と落ち込む可能性がある。ただ、スケールメリットにより同社は同業他社より利益を確保できるとアナリストは予想している。
営業利益は10兆8500億ウォン(76億6000万ドル)と、前年同期の15兆8000億ウォンから減少。前年比での減少は約3年ぶり。今月初めに示した自社予想の10兆8000億ウォンとほぼ同じだった。
売上高は4%増の76兆8000億ウォンだった。
半導体部門の利益は前年同期の10兆0700億ウォンから5兆1200億ウォンに減少した。
モバイル部門の利益は3兆2400億ウォンと、前年同期の3兆3600億ウォンから小幅な減少にとどまった。ハイエンドのスマートフォンや新たに発売されたウェアラブル端末の堅調な需要が市場低迷の影響を補った。
23年のモバイル需要は22年から若干回復する可能性があるとし、プレミアム製品への比較的強い購買意欲を受け旗艦の折り畳み式スマホに注力する方針を示した。