[ニューヨーク 28日 ロイター] - アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、アルファベット、マイクロソフトなどの低調な決算は、米国の最も強力な企業でさえ連邦準備理事会(FRB)の引き締め政策やドルの高騰、根強いインフレの打撃を受けていることを浮き彫りにした。
BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ダニエル・クリーター氏はこれらの超大型株が売り込まれたことについて「FRBの制限的な政策が実体経済に浸透し始め、成長が著しく鈍化していることを示している」と指摘。「FRBが軟着陸を実現できるかどうかが注目されるが、非常に難しいだろう」との見方を示した。
チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は「大手ハイテク企業は特に消費者主導型であれば、景気の減速に無縁ではいられない」とした上で、FRBが計画的な景気減速に着手したことで、これらの企業の消費者向け事業が一部打撃を受け、割高だった株価が急落したと分析した。
<利益の減少>
企業収益が回復しているのは暗いニュースが多い中で明るい側面だが、最近のさえない決算を受けて、これがいつまで続くか疑念が強まっている。
リフィニティブIBESのデータによると、米S&P総合500種指数採用企業の第3・四半期利益は2.5%増にとどまる見込み。27日朝までに公表された227社の決算と、未発表企業の業績見通しに基づいて推計した。1日時点では4.5%の増加が見込まれていた。
ボーカ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト最高投資責任者(CIO)は「アマゾンのような大手テクノロジー企業は2021年のようなビジネスをサポートするために採用を続けた。だが今は21年ではなく22年だ」と指摘。インフレが進み人々は消費を減らしていると述べた。
一部の投資家はハイテクに特化した大手企業がさらに打撃を受けるとみている。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのアナリストは27日のリポートで「今年に入ってハイテク銘柄の株価は大きく下落したが、このセクターが受けている逆風はまだ市場に十分に織り込まれていない」と記した。高インフレとドル高を踏まえると、業績見通しはまだ高過ぎるという。
(Caroline Valetkevitch, Lewis Krauskopf and Sinéad Carew記者)