(2段落目の「57円」を「57億円」に訂正します)
[東京 31日 ロイター] - SMBC日興証券は31日、2022年4―9月期の連結純損益が94億円の赤字(前期は325億円の黒字)になったと発表した。同社が発足して以降、最大の赤字で、欧米の金利上昇やロシア・ウクライナ情勢を受けた不安定な相場環境に加え、相場操縦事件が影響した。
4―6月期に36億円だった純損失は7―9月期に57億円(訂正)の赤字に拡大した。
牛島真丞・常務執行役員は決算会見で、相場操縦事件の影響は4ー9月期純営業収益で250億円に上ると明らかにした。債券引き受けやセカンダリーでは機関投資家などが発注を停止した。影響額は4―6月期で100億円、7―9月期で150億円。
11月7日を期限として金融庁に業務改善報告を行うことになっている。ただ、業務改善報告を行っても「そう簡単に(顧客が)戻ると、楽観視はしていない」という。
今年5月時点では、年間200億円程度の影響とみていたが影響は拡大しており、年間の見通しはできていない。前期は100億円の影響が出ていた。
同社による相場操縦事件を巡っては、東京地検特捜部が元副社長ら6人と法人としての同社を金融商品取引法違反(相場操縦)の罪で起訴した。また、金融庁は、一部業務停止命令3カ月の行政処分を行った。