[東京 2日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は2日衆院財務金融委員会で、辞任しない気持ちに変わりはないと答えた。 階猛議員(立民)への答弁。
階議員は大規模金融緩和によって日銀が2%の物価目標を安定的に達成できていない現状を踏まえ、総裁に辞める気持ちがないことに変わりはないかと質問した。
黒田総裁は2013年の量的質的緩和の導入後デフレでない状況を作り出し、賃金のベースアップも復活し、雇用も拡大したが、物価2%を達成していないとの事実は認めた。
<2%目標達成展望ならYCC柔軟化選択肢>
階議員は日銀の2022年度物価見通しが7月から10月の3カ月間で大幅に上方修正された理由を質問。根拠となるデータの開示を求めた。黒田総裁は、日銀としては毎回入手可能なデータに基づいて物価見通しを示しているが「前提となる要因の変化により上振れ、下振れはあり得る」と説明した。
日銀物価見通しによると消費者物価指数上昇率は22年度の2.9%から23年度以降は1%台半ばに低下する。理由について黒田総裁はコストプッシュ要因が「徐々に減衰するから」と説明し、「国際通貨基金(IMF)や民間予測も同程度」と指摘した。
階氏は黒田総裁が保身のために低金利政策を維持していると主張。黒田総裁は、現在の経済情勢では短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度(上限0.25%)とする現行の長短金利操作(YCC)の継続が必要と答えた。同時に、2%の物価目標の安定的達成が展望できる場合は、「YCC柔軟化も選択肢の1つ」と述べた。
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