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TOKAI Research Memo(2):LPガスやインターネット、CATVなど各種生活インフラサービスを提供(1)

発行済 2023-01-18 15:02
更新済 2023-01-18 15:15
© Reuters.
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■事業概要

TOKAIホールディングス (TYO:3167)は静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を主軸に事業を展開しており、経営ビジョンとして「Total Life Concierge(TLC)」構想を掲げている。
暮らしに関わるあらゆるサービスをワンコントラクト、ワンストップ、ワンコールセンターで総合的に提供し、顧客やその先の地域・社会・地球環境とのつながりを深めながら、人々の豊かな生活、地域社会の発展、地球環境保全に貢献し、日本を代表する生活総合サービス企業に成長することを目指している。


現在の事業セグメントは、「エネルギー事業」「情報通信事業」「CATV事業」「建築設備不動産事業」「アクア事業」「その他」の6つに分けて開示している。
直近5年間の事業セグメント別売上構成比の推移を見ると大きな変化はなく、祖業である「エネルギー事業」が約40%を占め、「情報通信事業」と「CATV事業」がそれに続き、3つの事業で全体の80%を超える水準となっている。
事業セグメント別の内容は以下のとおり。


1. エネルギー事業
エネルギー事業における2022年3月期の売上構成比を見ると、約85%をLPガス事業、約15%を都市ガス事業が占めている。
主力のLPガス事業では(株)TOKAI等で家庭・産業用LPガスを主に販売している。
サービスエリアは静岡や関東圏が中心だが、2015年以降は南東北エリアや中部・東海、中国、九州エリアなど他エリアにも順次進出し、顧客数を拡大している。
顧客件数は2022年9月末時点で731千件となっており、直販では岩谷産業 (TYO:8088)、日本瓦斯 (TYO:8174)に続く3番手となる。
市場シェアは、地盤である静岡県で約2割とトップで、競争の激しい関東圏でも1割弱と2番手に位置する。
LPガス利用世帯数は全国で約2,400万世帯あるため、全国シェアで見ると3%強の水準だが、今後も営業エリアの拡大とM&Aの推進によりシェアを拡大する戦略である。
国内のLPガス販売事業者数は中小零細企業も含めれば約1.7万社と多いことから、今後は大手資本による集約化が進むことが見込まれ同社のシェア拡大余地も大きいと弊社では見ている。


一方、都市ガス事業は東海ガス(株)が静岡県の焼津市、藤枝市、群馬県下仁田町等で、にかほガス(株)が秋田県にかほ市で、関連会社の伊勢崎ガス(株)が群馬県伊勢崎市にて、それぞれ都市ガスを供給している。
顧客件数は2022年9月末時点で72千件となっており、持分法適用関連会社であるT&Tエナジー(株)※の東海エリアでの顧客件数も含まれている(販売手数料のみ売上計上)。
都市ガス事業者は全国で193事業者(私営175、公営18)あり、このうち大手4社を除けば地域の中小規模事業者がほとんどである。
2017年4月にガス小売りの自由化が解禁されたことを契機に、同社もM&A戦略により営業エリアの拡大を進める方針を打ち出している。


※T&Tエナジーは東京電力エナジーパートナー(株)との合弁(出資比率50%)で2019年10月に設立され、愛知県、岐阜県、三重県の東海3県で都市ガスの小売事業等を行っている。



2. 情報通信事業
情報通信事業には、(株)TOKAIコミュニケーションズで展開するコンシューマー向けのISP(インターネットサービスプロバイダ)事業、モバイル事業(携帯電話販売代理店事業及びMVNO※事業)、及び法人向けの通信回線提供サービス、データセンターサービス、クラウドシステム構築支援、システム開発受託事業等のほか、M&Aでグループ化した会社等でソフトウェア開発や情報処理サービス等を展開している。
2022年3月期の売上構成比で見ると、コンシューマー向け事業が約47%、法人向け事業が約53%となっており、法人向け事業の比率が上昇傾向にある(2017年3月期の法人向け事業は約35%)。


※MVNO(Mobile Virtual Network Operator):携帯電話等の無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する事業者。



ISP事業では、静岡県内で「TOKAIネットワーククラブ(TNC)」及び「Webしずおか」を、静岡県を除く全国で「@T COM(アットティーコム)」のブランドでサービスを展開しており、静岡県内のシェアは約2割とトップを占める。
また、2015年2月よりNTT(日本電信電話 (TYO:9432))から光回線の提供を受け、自社の光インターネット接続サービスとセットで提供する光コラボサービス(「@T COMヒカリ」「TNCヒカリ」)の提供を開始したほか、現在は大手携帯キャリアのサービスとセットにしたプランを提供している。
2017年にはMVNOを利用した格安SIM/スマートフォン「LIBMO(リブモ)」の販売も開始し、2022年9月末の顧客件数は、従来型ISP等で414千件、光コラボで358千件、「LIBMO」で62千件となっている。


モバイル事業では、ソフトバンク (TYO:9434)の販売代理店として静岡県内を中心にモバイルショップ15店舗を展開しており、2022年9月末の顧客件数は185千件となっている。
また、iPhoneの修理サービスを行うiCracked Storeを静岡県内に7店舗出店している。


3. CATV事業
CATV事業はM&A戦略によりサービスエリアを徐々に広げてきた。
2022年9月末時点でグループ会社9社において、静岡県、東京都、神奈川県、千葉県、長野県、岡山県、宮城県の1都6県をサービスエリアとして展開している。
顧客件数は放送サービスで894千件、通信サービスで354千件、合計で1,247千件となる。
CATV業界ではJ:COM((株)ジュピターテレコム)グループが視聴世帯数ベースで5割強のシェアを握るが、2番手以下はいずれも数%程度のシェアとなっている。
同社のシェアも3%程度だが、今後もM&A戦略によりシェア拡大を目指している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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