[上海 9日 ロイター] - 中国政府系メディアは9日、新興企業オープンAIが開発した自動応答ソフト(チャットボット)「チャットGPT」の人気に便乗した中国の人工知能(AI)関連株の急騰に警鐘を鳴らした。AI企業も自ら、投資家に合理的な判断をするよう促した。
チャットGPTを巡る熱狂は、中国株式市場で投機的な動きを加速させ、北京海天瑞声科技の株価は今年に入って217%急騰。漢王科技は8日までに129%、雲従科技は128%、TRS信息技術は66%、それぞれ上昇した。
だがこの日は国営メディアの警鐘を受けて下落。米グーグルのチャットボットによる不正確な回答生成を受けて8日の米株式市場で親会社アルファベットが急落したことも嫌気された。
政府系メディアの証券時報は論説記事で、第5世代通信規格「5G」や拡張現実(AR)、仮想現実(VR)などのテーマで関連銘柄が買われてきたが、一部の技術構想が形になった一方で、多くのアイデアは商品化に至っていないか、検証に時間を要していると指摘。
「しかし、一部の人々は偽の構想について投機売買に没頭し、他の人々を相場つり上げに誘っている。投資家は最終的に涙をのむことになるので、追随してはいけない」と論じた。
チャットGPTのようなAIツールを手掛ける北京海天瑞声科技や三六零安全科技などの企業は株価急騰後に規制当局から要請を受け、投資家に先走りのリスクに留意するよう促した。
中国の主要企業では電子商取引大手アリババ・グループが8日、チャットGPTのようなAIツールを開発中と発表。京東集団(JDドットコム)も同様の技術を一部サービスに組み込む計画だと明らかにした。
関係筋によると、ゲーム大手の網易(ネットイース)は教育事業で同様の「大規模言語モデル」技術の導入を計画している。
*カテゴリーを追加して再送します。